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動物病院の医療費はなぜ違う?費用の目安を2023年調査からわかりやすく解説

動物病院の医療費はなぜ違う?費用の目安を2023年調査からわかりやすく解説 コラム
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はじめに

動物病院にかかると、「同じような診察なのに、病院によって費用が違うのはどうして?」と疑問に思うことがありますよね。

このまえ、愛犬の避妊手術に行ってきたんだけど、〇〇円もかかったよ

ええっ! そうなんだ。うちは▽▽円だったよ

実は、犬や猫の診療にかかる費用は、全国一律で決まっているわけではありません。

人の医療のような公的医療保険の診療報酬とは仕組みが異なり、動物病院では、それぞれの病院が設備費や薬剤費、診療にかかる時間、技術料などをもとに料金を設定しています。

また、小動物医療では、獣医師会や獣医師同士が『この診療はいくら』と標準料金を決めることはできないとされています。日本獣医師会も、その点を飼い主に説明し理解を得るよう努めるべきだとしています。

そのため、同じ地域でも病院によって費用に差が出ることがあります。とはいえ、まったく目安がわからないと不安になりますよね。

そこで今回は、公益社団法人日本獣医師会の2023年調査をもとに、動物病院の医療費の中央値や、実際にどのくらい差があるのかをわかりやすく見ていきます。

この記事でわかること
  • 動物病院の医療費が統一されていない理由
  • 2023年調査から見る主な医療費の中央値
  • 動物病院によってどのくらい差があるのか
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なぜ動物病院によって医療費がちがうの?

動物病院の医療費に差が出る大きな理由は、料金を全国一律にそろえる仕組みになっていないからです。

小動物診療では、獣医師会などの団体が『この診療はいくら』と基準料金を決めたり、獣医師同士で料金を申し合わせたりすることは、独占禁止法の考え方から認められていません。

そのため、診察料、処置料、手術費、ワクチン代、薬代などは、それぞれの動物病院が個別に設定しています。同じような診療内容であっても、病院の設備、使用する薬や機器、かかる時間、人員体制などによって費用が変わることがあるのです。

日本獣医師会も、『飼い主が実際に支払う金額は各項目の合算になるため、どのような診療を受けるのか主治医に確認してほしい』と案内しています。

保護者側の選択肢が増える

動物病院を選ぶとき、保護者さんが重視するポイントはひとつではありません。

たとえば、

  • 獣医師の人柄で選ぶ
  • 獣医師ので選ぶ
  • 動物病院の立地で選ぶ
  • 動物病院の設備で選ぶ
  • 口コミ・知人からの紹介で選ぶ

など、さまざまな点を見て選ぶことができます。

料金が病院ごとに異なるということは、不安に感じる面もありますが、その一方で、自分や愛犬・愛猫に合った病院を選ぶ余地があるともいえます。

にこやま
にこやま

いくら設備が整っていても、費用面で通い続けることが難しければ安心して受診しにくいものです。その意味で、医療費もまた、かかりつけの動物病院を選ぶうえで大切な基準のひとつだといえるでしょう。

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公益社団法人日本獣医師会の調査結果で中央値を見る

動物病院の医療費は全国一律ではないため、

  • わが家のかかりつけ医は高いのかな?
  • ほかの病院では、だいたいいくらぐらいなんだろう?

と気になる方も多いと思います。

とはいえ、近隣の動物病院に費用を聞いて回るのは、なかなかハードルが高いですよね。そんなとき参考になるのが、公益社団法人日本獣医師会が公表している診療料金の調査結果です。

以下では、その中から一部を抜粋してご紹介します。

なお、ここでいう中央値は、『もっとも高い金額』でも『もっとも安い金額』でもなく、調査結果の真ん中あたりの目安となる金額です。

詳しいデータを確認したい方は、日本獣医師会のPDF資料もあわせてご覧ください。

家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査【PDF】

表1)診察料・注射料など

区分名目中央値(H27)中央値(R5)
【診察料】初診料1,386円1,500円
再診料726円750円
往診料2,232円2,500円
時間外診療(平日)2,324円2,500円
時間外診療(休診日)2,646円2,500円
時間外診療(深夜)4,513円6,250円
【文書料】診断書1,983円2,500円
【注射料】皮下注射1,425円1,500円
筋肉注射1,433円1,500円
静脈注射1,812円1,500円
係留置針注射2,117円2,500円
【輸液】静脈内2,999円4,000円
皮下1,952円2,500円
【耳鼻科】外耳処置1,256円1,500円
【歯科・口腔内】歯石除去8,849円11,250円
抜歯3,491円2,500円
※家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査 一部抜粋

表2)予防医療の目安

区分名目中央値(H27)中央値(R5)
【予防医療】狂犬病予防接種2,944円4,000円
犬混合ワクチン
(5・6種)
6,388円6,250円
犬混合ワクチン
(8種~10種)
8,180円8,750円
猫混合ワクチン
(FeLV含む)
6,514円6,250円

ちなみに、左側の医療費は平成27年(2015年)の調査時データで、右側のデータが令和5年(2023年:最新)のものになります。

こうして見ると、初診料や再診料のように大きな差が出にくい項目もある一方で、深夜診療や文書料、歯科処置などは差が広がりやすいことがわかります。

また、単純に『高い/安い』と見るのではなく、診療内容や地域差、病院の設備などもあわせて考えることが大切です。

表2)検査・手術・処置など

診察料や注射料のほかにも、検査や手術、処置にかかる費用は気になるところです。

以下は、日本獣医師会の調査結果から、一部の項目を抜粋したものです。なお、これらの金額もあくまで中央値であり、実際の費用は病院ごとに異なります。

区分名目中央値(H27)中央値(R5)
【不妊手術】猫去勢12,652円12,500円
犬去勢17,675円17,500円
猫避妊
(卵巣子宮切除)
20,986円22,500円
犬避妊
(卵巣子宮切除)
27,413円27,500円
【耳科】耳血腫17,874円17,500円
【呼吸器】気管虚脱41,000円45,000円
横隔膜ヘルニア47,259円62,500円
【消化器】胃切除50,000円62,500円
直腸脱32,392円35,000円
【体表】肛門周囲腺腫30,867円27,500円
肛門嚢切除32,201円35,000円
【血液検査】採血料727円750円
生化学検査4,625円6,250円
フィラリア検査
(抗原検査)
2,113円2,500円
【糞便検査】採取料0円0円
直接法737円750円
【尿検査】採取料
(圧迫)
0円0円
採取料
(カテーテル採尿)
1,127円1,500円
【超音波検査】心エコー3,698円4,000円
腹部エコー3,204円4,000円
【健康診断】1日ドッグ14,021円16,250円
表2を見るときの注意点

表2の金額は、すべての犬や猫にそのまま当てはまるわけではありません。

日本獣医師会の調査では、麻酔料を含まない条件や、体重10kgの犬を前提とした条件で示されている項目があります。

そのため、実際の診療費は、動物の体格や症状の重さ、使用する麻酔や検査内容、入院の有無などによって変わります。とくに手術や精密検査では、小型犬と大型犬で必要な薬剤量や管理の内容が異なることもあるため、中央値はあくまでひとつの目安として見るのがよいでしょう。

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上記の表1、2を見る上での注意点

ここまで、日本獣医師会が公表している調査結果をもとに、動物病院の医療費の中央値を見てきました。ただし、これらの数字は全国すべての動物病院の料金をそのまま示したものではない点に注意が必要です。

この調査は、全国の1,096名の小動物臨床獣医師から得られた回答をもとに集計されたものです。

そのため、全国のすべての個人診療施設や、すべての獣医師の料金設定を完全に反映したデータではありません。

また、農林水産省の獣医師届出状況によると、令和5年時点で個人診療施設に勤める獣医師は18,881名とされています。こうした数字と比べても、今回の調査結果はあくまで一部の回答をもとにした参考データと見るのがよさそうです。

とはいえ、動物病院の医療費について、ここまでまとまった形で公表されている資料は多くありません。その意味では、『だいたいどのくらいの金額帯が多いのか』を知るための目安としては、とても参考になる資料だといえます。

大切なのは、この中央値をそのまま「全国共通の相場」と受け取るのではなく、あくまで参考のひとつとして見ることです。実際の医療費は、地域や病院の設備、診療内容、動物の状態によって変わります。

いぬちゃん
いぬちゃん

「中央値はこの金額なんだから、どこでも同じはず」と考えるのではなく、まずは診療内容と費用の説明をしっかり受けて、納得して受診することが大切です。

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動物病院ごとの差額について

『家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査』には、中央値だけでなく、それぞれの価格帯にどれくらいの回答が集まったかも掲載されています。

この分布を見ると、動物病院によって料金に幅があることが、より具体的に見えてきます。

ここでは、その中から文書料(診断書)と犬去勢の2項目を取り上げてみます。

文書料(診断書)

料金回答件数
無料112件
500円未満10件
500円~1,000円未満115件
1,000円~2,000円未満294件
2,000円~3,000円未満290件
3,000円~5,000円未満231件
5,000円~7,500円未満27件
7,500円~10,000円未満0件
10,000円~12,500円未満0件
12,500円~15,000円未満0件
15,000円~17,500円未満0件
17,500円~20,000円未満0件
20,000円~25,000円未満0件
25,000円~30,000円未満0件
30,000円~40,000円未満0件
40,000円~50,000円未満0件
50,000円以上0件
対応外4件
無回答13件
全体1,096件

診断書の料金を見ると、無料と回答した病院がある一方で、5,000円~7,500円未満と回答した病院もあります。

つまり、診断書ひとつをとっても、病院によって考え方や料金設定に差があるということです。

不妊手術(犬去勢)

料金 回答件数
5,000円未満2件
5,000円~10,000円未満77件
10,000円~15,000円未満172件
15,000円~20,000円未満286件
20,000円~25,000円未満244件
25,000円~30,000円未満159件
30,000円~40,000円未満78件
40,000円~50,000円未満18件
50,000円~75,000円未満2件
75,000円~100,000円未満1件
100,000円~150,000円未満0件
150,000円~200,000円未満2件
200,000円~250,000円未満0件
250,000円~300,000円未満2件
300,000円以上0件
対応外26件
無回答27件
全体1,096件

また、犬去勢の料金を見ると、5,000円~10,000円未満とする病院もあれば、250,000円~300,000円未満とする回答もあり、かなり幅があることがわかります。

この結果だけを見ると差額は非常に大きく見えますが、去勢手術の費用は、麻酔、術前検査、使用する薬剤、術後管理、入院の有無などをどこまで含むかによって変わることがあります。

そのため、単純に『高い/安い』と決めつけるのではなく、何が料金に含まれているのかを確認することが大切です。

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まとめ

かかりつけの動物病院を選ぶときに大切なのは、その病院や獣医師を信頼できるかどうかではないでしょうか。

動物病院の医療費は全国一律ではなく、病院ごとに差があります。

そのため、単純に『高い』『安い』だけで判断するのではなく、どのような診療内容が含まれているのか、なぜその金額になるのかをきちんと説明してもらえるかが大切です。

たとえほかの病院より費用が高めであっても、その理由や治療内容について納得できる説明があれば、安心して治療を任せやすくなります。

反対に、会計や説明が不透明だと、不安や不信感につながりやすいものです。

かかりつけの動物病院を選ぶときは、獣医師の技術や経験、人柄だけでなく、費用の説明がわかりやすいか、質問しやすい雰囲気があるかという点にも目を向けてみてください。

獣医師
獣医師

この治療は費用が少し高くなりますが、検査・麻酔・術後管理まで含めた金額です。内容を順番にご説明します。分からないところは何でも聞いてくださいね。

この記事が、動物病院の医療費について考えるときの参考になればうれしいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました(’ü’)

参照サイト
  • 公益社団法人日本獣医師会 家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査
  • 農水省ホームページ

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