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動物病院の医療費ってどうして違うの?費用の目安を2023年の調査結果から解説します

動物病院の医療費ってどうして違うの?費用の目安を2023年の調査結果から解説します コラム
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ご存知の方も多いと思いますが、動物病院の診療報酬設定は全国一律ではありません。

診療報酬が全国一律の公定価格に設定されていて、(健康保険さえ適用されれば)日本全国どこの医療機関でも同じ価格で医療を受けられる人間の病院とちがって、動物病院は獣医師が自由に診療にかかわる費用を設定できるのが現状です。

(診療点数法による加算があるので、人間の医療費も実際には同じ価格になることは少ないですが……。)

このまえ、愛犬の避妊手術に行ってきたんだけど、〇〇円もかかったよ

ええっ! そうなんだ。うちは▽▽円だったよ

今回は、なかなか他人に相談しにくい[動物病院の医療費]について調べてみました。

この記事でわかること
  • 動物病院の医療費が統一されていない理由
  • 各医療行為に対する医療費の中央値(いくらに設定している所が多いか)
  • 動物病院によって、どのくらいの差額があるか
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なぜ動物病院によって医療費がちがうの?

その理由をひとことで言うと、料金設定を一定にすることを法律(独占禁止法)が禁止しているため

獣医師の診療料金は独占禁止法により、獣医師団体(獣医師会等)が基準料金を決めたり、獣医師同士が協定して料金を設定したりすることが禁じられているのです。

これは、つまり、

開業医A
開業医A

この辺の動物病院は初診料1,500円なんだけど、開業したBさんのところも1,500円に設定しない?

新人開業医B
新人開業医B

あ、そうなんですね。わかりました! そうします!

――ということは、してはいけないよ、ということですね。

現状、診療費・処置料・手術費・ワクチンの費用はおろか、薬の料金までも各動物病院が自由に設定することができることになっています。

そのため、同じ内容の治療を受けたり、同じワクチンを接種したりした場合でも、病院によって料金がちがうことがある、というわけなんですね。

保護者側の選択肢が増える

保護者さんは動物病院を決める際、

  • 獣医師の人柄で選ぶ
  • 獣医師ので選ぶ
  • 動物病院の立地で選ぶ
  • 動物病院の設備で選ぶ
  • 口コミ・知人からの紹介で選ぶ

など、さまざまな理由でかかりつけ医にする動物病院を選ぶことができます。

これにくわえて、❺医療費で選ぶこともできるのです。

❹いくら病院の設備が良くても、医療費が高くて通うことができないのでは意味がありませんからね。医療費の安さも、動物病院を選ぶときの重要な基準になりえるとわたしは思います。

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公益社団法人日本獣医師会の調査結果で中央値を見る

そうなると気になるのは、

  • わが家のかかりつけ医の診察料金は高いのか、安いのか
  • ほかの病院はいくらくらいなのか

知りたくても「近所の動物病院に聞いてまわる」というのは、なかなかハードルが高いですね。

これについて[公益社団法人日本獣医師会]が有益な調査結果をホームページに公開してくれています。

以下、一部を抜粋してみましたが、全部のデータを見たいという方は、日本獣医師会のPDFファイル(全122ページ)をご確認ください。

家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査【PDF

表1)診察料・注射料など

名目中央値(H27)中央値(R5)
【診察料】初診料1,386円1,500円
再診料726円750円
往診料2,232円2,500円
時間外診療(平日)2,324円2,500円
時間外診療(休診日)2,646円2,500円
時間外診療(深夜)4,513円6,250円
【文書料】診断書1,983円2,500円
【注射料】皮下注射1,425円1,500円
筋肉注射1,433円1,500円
静脈注射1,812円1,500円
係留置針注射2,117円2,500円
【輸液】静脈内2,999円4,000円
皮下1,952円6,250円
狂犬病予防注射2,944円8,750円
犬混合ワクチン
(5・6種)
6,388円6,250円
犬混合ワクチン
(8種~10種)
8,180円8,750円
猫混合ワクチン
(Felv含む)
6,514円6,250円
【耳鼻科】外耳処置1,256円1,500円
【歯科・口腔内】歯石除去8,849円11,250円
抜歯3,491円2,500円
※家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査 一部抜粋

ちなみに、左側の医療費は平成27年(2015年)の調査時データで、右側のデータが令和5年(2023年:最新)のものになります。

表2)検査・手術・治療費など

名目中央値(H27)中央値(R5)
【不妊治療】猫去勢12,652円12,500円
犬去勢17,675円17,500円
猫避妊
(卵巣子宮切除)
20,986円22,500円
犬避妊
(卵巣子宮切除)
27,413円27,500円
【眼】白内障10,000円7,500円
【耳】耳血腫17,874円17,500円
【呼吸器】気管虚脱41,000円45,000円
横隔膜ヘルニア47,259円62,500円
【消化器】胃切除50,000円62,500円
直腸脱32,392円35,000円
【体表】肛門周囲腺腫30,867円27,500円
肛門嚢切除32,201円35,000円
【血液検査】採血料727円750円
生化学検査4,625円6,250円
フィラリア検査
(抗原検査)
2,113円2,500円
【糞便検査】採取料0円0円
直接法737円750円
【尿検査】採取料
(圧迫)
0円0円
採取料
(カテーテル採尿)
1,127円1,500円
【超音波検査】心エコー3,698円4,000円
腹部エコー3,204円4,000円
【健康診断】1日ドッグ14,021円16,250円
※これらの医療費は、麻酔料を含まず、かつ体重10㎏の犬について提示されたもの
表2についての補足

表2の各アンケートは、「麻酔料は含めず、体重 10kg の犬での料金をお知らせください」という条件のもとで動物病院に提示されていました(H27時点)。おそらく、検査や手術などの費用は犬の大きさによって変わるためでしょう。10kg以下の小型犬や10kg以上の中型・大型犬では中央値はちがうと思われますので、その点、ご承知おきください。

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上記の表1、2を見る上での注意点

この日本獣医師会の調査資料をお読みいただければ、すぐにわかることなのですが、本調査結果は全国の1,096名の小動物臨床獣医師から得られた回答を元に集計したものであって、全国すべての動物病院に対して行ったアンケートではありません

【農林水産省の獣医師の届出状況(獣医師数)】によれば、令和5年の獣医師の届け出総数は40,455名。

そのうち、個人診療施設に勤める者は18,881名でした。

つまり、このアンケートは少なく見積もっても全国の個人診療施設に勤める獣医師全体の17%ほど(18,881名のうちの1,096名)からしか聞き取れていない、ということ。

とはいえ、今はこのデータくらいしか診療報酬に関するものがないので、こちらを参考にするしかないのですが、全国のうちの20%以下の意見ですから、このデータをもってして、

中央値は●●円よ! もうちょっと安くしなさいよ!!

なんてご無体は仰らないようにしてくださいね。

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動物病院ごとの差額について

家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査に載っているのは中央値だけではありません。

それぞれの医療費に対する回答数も掲載されているのですが、これがまた面白い結果になっていますので、下記にふたつ抜き出してみたいと思います。

文書料(診断書)

料金回答件数
無料112件
500円未満10件
500円~1,000円未満115件
1,000円~2,000円未満294件
2,000円~3,000円未満290件
3,000円~5,000円未満231件
5,000円~7,500円未満27件
7,500円~10,000円未満0件
10,000円~12,500円未満0件
12,500円~15,000円未満0件
15,000円~17,500円未満0件
17,500円~20,000円未満0件
20,000円~25,000円未満0件
25,000円~30,000円未満0件
30,000円~40,000円未満0件
40,000円~50,000円未満0件
50,000円以上0件
対応外4件
無回答13件
全体1,096件

不妊手術(犬去勢)

料金 回答件数
5,000円未満2件
5,000円~10,000円未満77件
10,000円~15,000円未満172件
15,000円~20,000円未満286件
20,000円~25,000円未満244件
25,000円~30,000円未満159件
30,000円~40,000円未満78件
40,000円~50,000円未満18件
50,000円~75,000円未満2件
75,000円~100,000円未満1件
100,000円~150,000円未満0件
150,000円~200,000円未満2件
200,000円~250,000円未満0件
250,000円~300,000円未満2件
300,000円以上0件
対応外26件
無回答27件
全体1,096件

上記の表からは、診断書を無料で書いてくださる病院があれば、5,000円~7,500円かかる病院もあることがわかります。

また、犬の不妊治療では、さらに差額は大きくなって、5,000~10,000円とする回答が77件、一方250,000円~300,000円未満とする回答が2件となっています。

にこやま
にこやま

その差額は22~23万円。決して安くない金額です。

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まとめ

かかりつけの動物病院(獣医師)を決める場合に、もっとも大切なのはその病院ないし獣医師を信用できるかどうかだと思います。

そして病院の会計が不透明というのは、とても獣医師不信につながりやすいです。

たとえば、上の表のように手術代がほかの病院より高かったとしても

獣医師
獣医師

どこの病院で受けても開腹手術&1週間の入院が必要だけど、うちの病院には日本に1台しかない最新機器があるので、開腹することなく日帰りで治療ができるんですよ!

という説明が事前にあっていれば、20万円以上高くても納得できますよね。

かかりつけの獣医師を決めるときは、獣医師の技術や経験、人柄はもちろん大事ですが、会計がクリアかどうかも、しっかり見極めるようにしていただきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

■参照

公益社団法人日本獣医師会(https://jvma-vet.jp/clinic/ryokin_pdf/r5.pdf)
農水省HP(https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/zyui/attach/pdf/index-4.pdf)

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