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犬の尿検査でわかること10項目|腎臓や糖尿病のサインを見逃さないために

犬の尿検査でわかること10項目|腎臓や糖尿病のサインを見逃さないために コラム
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今は、愛犬の健康状態を知るうえでとても大切な「尿検査」についてまとめました。

  • 「最近、愛犬のおしっこの量が多い気がする」
  • 「多頭飼いだから、それぞれの排尿の変化に気づきにくい」
  • 「血液検査には抵抗があるけれど、体の状態は確認したい」

尿検査は、このようなときにおすすめの検査で、見た目だけではわからない体の変化に気づくきっかけになるものです。

この記事では、犬の尿検査で何がわかるのかを、できるだけわかりやすくご紹介します。

どうして尿検査が推奨されるの?

尿検査は、腎臓や尿路の異常、体の代謝の変化などを知る手がかりになる検査です。

たとえば腎臓の病気では、血液検査で明らかな異常が出る前に、尿の濃さや尿タンパクなどに変化が見られることがあります。そのため、尿検査をあわせて行うことで、体内の変化により早く気づける場合があります。

また、自然に排尿した尿を採取できれば、体への負担が比較的少ないのも尿検査のメリットです。

費用も血液検査より抑えられることが多く、健康診断や体調変化の確認の際に取り入れやすい検査といえるでしょう。

もちろん、尿検査だけですべてがわかるわけではありません。血液検査や画像検査と組み合わせることで、より多くの情報を得られる大切な検査のひとつです。

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尿検査の数値からわかること

潜血(OB)の数値からわかること

OBとは「occult blood」の略で、意味はそのまま「潜血」です。尿中に血液成分が混じっていないかをみる項目です。

ただし、陽性だからといって必ずしも見た目で赤い尿になるわけではなく、採尿方法やヘモグロビンなどの影響で反応することもあります。

ちなみに、見た目でわかるほど尿が真っ赤な色をしている状態は「潜血」ではなく「血尿」です。

異常があった場合、疑われることがあるもの
  • 膀胱炎
  • 尿石症
  • 尿路の炎症や腫瘍
  • 腎臓の炎症
  • オスの場合:前立腺炎
  • オスの場合:前立腺腫瘍 など

尿比重(SG)の数値からわかること

SGとは、「specific gravity」の略で「比重」の意味です。

尿比重は、尿がどれくらい濃いか・薄いかをみる指標です。

犬では、腎臓がきちんと尿を濃縮できているかを判断する手がかりになります。

数値が高い場合は脱水などで尿が濃くなっていることがあり、低い場合は腎臓の濃縮力低下や、多飲多尿を起こす病気が疑われることがあります。

異常があった場合、疑われることがあるもの
  • 【比重が高い】脱水 など
  • 【比重が低い】腎機能低下、糖尿病、副腎皮質機能低下症 など

グルコース(GLU)の数値からわかること

グルコースとは糖の名称で、別名「ブドウ糖」ともいいます。健康な犬では、通常、ブドウ糖は尿中にほとんど出ません。

尿糖が検出された場合は、血糖値が高くなっているか、あるいは腎尿細管での再吸収に異常がある可能性があります。

そのため、尿糖が出たときは、あわせて血液検査をすることで血糖値を測定し、どこに問題があるのかを見極めることが重要になってきます。

異常があった場合、疑われることがあるもの
  • 【血糖も高い】高血糖、糖尿病、甲状腺機能亢進症 など
  • 【血糖は高くない】腎性尿糖、ファンコーニ症候群、腎尿細管障害 など
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pHの数値からわかること

尿pHは、尿が「酸性寄り」か「アルカリ性寄り」かをみる項目です。

食事の影響を受けることもありますが、尿路感染症や代謝異常の手がかりになることもあります。

また、尿のpHは結晶や結石の種類に関係するため、ほかの検査結果とあわせて総合的に評価します。

異常があった場合、疑われることがあるもの
  • 尿路感染症
  • 代謝異常
  • 結晶や結石ができやすい状態 など

ケトン体(KET)の数値からわかること

通常、体の中でエネルギーを作り出す際には糖が分解されますが、糖尿病になると糖がエネルギーとして分解されなくなります。

とはいえ、エネルギーがないと体を動かせません。そうなると、糖のかわりに脂肪酸がエネルギーとして分解されるようになり、その結果「ケトン体」が作られます。

糖尿病でみられることが多いですが、絶食や飢餓のときにも検出されることがあります。

異常があった場合、疑われることがあるもの
  • 飢餓
  • 絶食
  • 糖尿病
  • ケトアシドーシス など

亜硝酸塩(NIT)の数値からわかること

尿の中には「硝酸塩」という成分が含まれているのですが、膀胱内に大腸菌などの一部の細菌が入り込むと、これが化学変化を起こし「亜硝酸塩」という物質に変化します。

亜硝酸塩は、人の尿検査では細菌感染の手がかりとして用いられることがあります。ただし、犬では試験紙の亜硝酸塩反応は信頼性が低いとされ、これだけで尿路感染の有無は判断できません。

感染が疑われる場合は、尿沈渣や尿培養なども含めて評価します。

異常があった場合、疑われることがあるもの
  • 膀胱炎
  • 尿路の細菌感染など

ビリルビン(Bil)の数値からわかること

ビリルビンとは、赤血球の成分が分解される過程で生じる色素で、別名「胆汁色素」とも呼ばれる黄色い色素のことをいいます。

犬では少量なら尿中にみられることもありますが、量が多い場合には肝臓や胆道の異常、溶血性疾患などが疑われます。

異常があった場合、疑われることがあるもの
  • 肝機能障害
  • 胆管系疾患
  • 溶血性疾患 など

ウロビリノーゲンの数値からわかること

ウロビリノーゲンとは、ビリルビンが腸内細菌によって分解されたときに発生する物質で、「±」〜「1+」が正常値とされています。

人の尿検査では参考にされる項目ですが、現在のところ、犬や猫の検査においては、臨床的意義はあまりないと考えられているようです。

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尿タンパク(PRO)の数値からわかること

健康な犬の尿にも、ごく少量のタンパクが含まれることはあります。

ただし、薄い尿なのにタンパクが出ている場合や、持続してタンパク尿がみられる場合は、腎臓の病気や尿路の炎症・出血などを疑います。

また、未去勢の男の子では精子が混入してしまい、タンパクの数値が上昇することもあります。

異常があった場合、疑われることがあるもの
  • 腎疾患
  • 尿路感染症
  • 尿路出血 など

尿タンパク/クレアチニン比(P/C比)の数値からわかること

尿タンパク/クレアチニン比(P/C比、UPC)は、尿の中にどのくらいタンパクが出ているかを、尿の濃さの影響を受けにくい形で評価するための検査です。

尿タンパクの有無だけを見るよりも、持続するタンパク尿があるかどうかを判断しやすく、腎臓の状態を詳しく調べたいときに役立ちます。

犬や猫では、持続するタンパク尿は慢性腎臓病(CKD)の重要な手がかりのひとつとされており、タンパク尿が多いほど腎臓病の進行リスクや予後に関係すると考えられています。

そのため、尿検査でタンパクが見つかったときには、このP/C比を追加で調べることがあります。

ただし、P/C比が高いからといって、すぐに「腎臓の病気」と決めつけることはできません。

尿路の炎症や出血などでも尿タンパクは増えることがあるため、尿沈渣や血液検査など、ほかの検査結果とあわせて総合的に判断することが大切です。

異常があった場合、疑われることがあるもの
  • 慢性腎臓病
  • 糸球体疾患
  • 腎炎
  • 尿路の炎症や出血 など

まとめ|愛犬の体への負担が少ない尿検査を利用しよう

以上のとおり、尿検査は、腎臓や尿路の状態だけでなく、糖尿病など全身の異常に気づく手がかりにもなる大切な検査です。

自然排尿で採尿できれば体への負担も比較的少なく、健康診断でも取り入れやすい検査といえるでしょう。

ただし、尿検査の結果は採尿方法やほかの検査結果によって解釈が変わることもあります。気になる変化があるときは、かかりつけの獣医師に相談しながら活用してみてくださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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