犬の認知症チェックに用いられる測定方法に【犬の認知症の診断基準100点法】というものがあります。
これは、1997年に動物エムイーリサーチセンターの内野富弥先生が作成されたもので、当てはまる項目にチェックし、最終的な合計点数で愛犬の認知症レベルを診断する、というものです。
さっそくですが、愛犬の現在の状態を思い浮かべながら、以下の10個の項目について、それぞれ(1)〜(5)のうちひとつを選択し、点数を合計してみてください。
犬の認知症の診断基準100点法
食欲
| (1) | 正常 | 1 |
| (2) | 異常に食べるが下痢もする | 2 |
| (3) | 異常に食べて、下痢をしたりしなかったり | 5 |
| (4) | 異常に食べるがほとんど下痢をしない | 7 |
| (5) | 異常に何をどれだけ食べても下痢をしない | 9 |
生活リズム
| (1) | 正常(昼は起きていて、夜は眠る) | 1 |
| (2) | 昼の活動が少なくなり、夜も昼も眠る | 2 |
| (3) | 夜も昼も眠っていることが多くなった | 3 |
| (4) | 昼も夜も食事以外は死んだように眠り、夜中から明け方に突然動き回る。 飼い主による制止がある程度は可能 | 4 |
| (5) | 上記の状態を制止することが不可能な状態 | 5 |
後退行動(方向転換)
| (1) | 正常 | 1 |
| (2) | 狭いところに入りたがり、進めなくなると後退する | 3 |
| (3) | 狭いところに入るとまったく後退できない | 6 |
| (4) | (3)の状態で、部屋の直角コーナーでの転換は可能 | 10 |
| (5) | (4)の状態で、部屋の直角コーナーでも転換できない | 15 |
歩行状態
| (1) | 正常 | 1 |
| (2) | 一定方向にフラフラ歩き、不正運動になる | 3 |
| (3) | 一定方向にのみフラフラ歩き、旋回運動(大円運動)歩きになる | 5 |
| (4) | 旋回運動(小円運動)をする | 7 |
| (5) | 自分中心の旋回運動になる | 9 |
排泄状態
| (1) | 正常 | 1 |
| (2) | 排泄場所をときどき間違える | 2 |
| (3) | 所かまわず排泄する | 3 |
| (4) | 失禁する | 4 |
| (5) | 寝ていても排泄してしまう(垂れ流し状態) | 5 |
感覚器異常
| (1) | 正常 | 1 |
| (2) | 視力が低下し、耳も遠くなっている | 2 |
| (3) | 視力、聴力が明らかに低下し、何にでも鼻を近づける | 3 |
| (4) | 聴力がほとんど消失し、臭いを異常にかつ頻繁に嗅ぐ | 4 |
| (5) | 嗅覚のみが異常に過敏になっている | 6 |
姿勢
| (1) | 正常 | 1 |
| (2) | 尾と頭部が下がっているが、ほぼ正常な起立姿勢をとれる | 2 |
| (3) | 尾と頭部が下り、起立姿勢をとれるが、アンバランスでフラフラする | 3 |
| (4) | 持続的にボーッと起立していることがある | 5 |
| (5) | 異常な姿勢で寝ていることがある | 7 |
鳴き声
| (1) | 正常 | 1 |
| (2) | 鳴き声が単調になる | 3 |
| (3) | 鳴き声が単調で、大きな声を出す | 7 |
| (4) | 真夜中から明け方の決まった時間に突然鳴き出すが、ある程度制止は可能 | 8 |
| (5) | (4)と同様であたかも何かがいるように鳴き出し、全く制止できない | 17 |
感情表出
| (1) | 正常 | 1 |
| (2) | 他人および動物に対して、何となく反応が鈍い | 3 |
| (3) | 他人および動物に対して、反応しない | 5 |
| (4) | (3)の状態で飼い主にのみにかろうじて反応を示す | 10 |
| (5) | (3)の状態で飼い主にも全く反応がない | 15 |
習得行動
| (1) | 正常 | 1 |
| (2) | 学習した行動あるいは習慣的行動が一過性に消失する | 3 |
| (3) | 学習した行動あるいは習慣的行動が部分的に持続消失している | 6 |
| (4) | 学習した行動あるいは習慣的行動がほとんど消失している | 10 |
| (5) | 学習した行動あるいは習慣的行動がすべて消失している | 12 |
まとめ
上記の表のとおりに計算してみて合計点数が、
となります。
残念ながら、現在のところ、日本で認知症の治療薬として認可されているものはありません。
しかし、例えば ② 生活リズム や ⑧ 鳴き声 で(5)を選択されたような場合には、抗不安薬、睡眠薬、サプリメント※などを使用することで愛犬はもちろん、愛犬を介護する家族にも穏やかな生活を取りもどすことも可能かもしれません。
認知症の症状かもと思われることがあれば、どんなに小さなことでもかかりつけの獣医に相談しておきましょう。そうすると、カルテに情報が蓄積されていきます。
これがあると、後日、「これっていつからだっけ?」となったときなどに獣医師とともに振り返ることが出来ますので、治療方針の立て方などに役立ちます。
認知症になった家族を看るのは本当につらいと思います。しんどいと思います。
ですが、大事に育ててくれたからこそ、いま、あなたの目の前には老いた子がいる。そのことに心からの感謝を申し上げたい。
大事に大切に育ててくださって、本当にありがとうございます。
あなたと愛犬、愛猫の今このひとときが、どうか穏やかでありますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございました☻



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