はじめに
「チョコレートは犬に食べさせてはいけない」とよくいわれますが、ではホワイトチョコ(ホワイトチョコレート)はどうなのでしょうか。
先日、「犬がホワイトチョコを少し食べてしまったけれど、大丈夫ですか?」というご質問をいただきました。
調べてみると、ホワイトチョコは一般的なチョコレートに比べて、犬にとって問題となるテオブロミンやカフェインがかなり少ないとされていることを知りました。
その一方で、製品によって成分差があったり、脂肪分や糖分の負担があったりするため、絶対に安心とまでは言い切れません。
Merck Veterinary Manualでは、ホワイトチョコはメチルキサンチンの量がごく少ない一方、犬のチョコレート中毒は摂取量や体重、チョコの種類で評価するとしています。
そこで今回は、ホワイトチョコの中毒リスクについて、文献の内容もふまえながら、保護者さん向けにわかりやすく整理します。
ホワイトチョコとは
ホワイトチョコは、一般的な板チョコとは少し作りが異なります。
カカオ由来の成分のうち、主にココアバターを使って作られるため、通常のチョコレートのようにカカオ固形分を多く含む製品とは性質が違います。金沢大学の総説でも、カカオマスがココアバターとココアパウダーから成ることが示されています。
このため、ホワイトチョコは、ダークチョコレートやミルクチョコレートよりも、テオブロミンやカフェインがかなり少ないと考えられています。Merck Veterinary Manualの表では、ホワイトチョコのメチルキサンチン量は0.04 mg/gとされ、ミルクチョコの2.3 mg/gよりかなり低い値です。

犬がホワイトチョコを食べたら問題ある?
結論からいうと、ホワイトチョコだけで典型的なチョコレート中毒を起こす可能性はかなり低いです。
犬のチョコレート中毒で問題になるのは、主にテオブロミンとカフェインです。Merck Veterinary Manualでは、犬では軽い症状が20 mg/kg前後からみられることがあり、重い症状はさらに高用量で起こるとされています。
一方で、ホワイトチョコはメチルキサンチン量がごく少ないため、少し口にした程度でチョコレート中毒になることは考えにくいといえます。
ただし、それで『完全に問題なし』とまでは言えません。
ホワイトチョコは脂肪分や糖分が多いため、食べた量によっては下痢や嘔吐など消化器症状の原因になることがあります。コロラド州立大学の獣医教育病院も、白いチョコはココア固形分を含まないため中毒性は低い一方、微量のカフェイン・テオブロミンはあり、また別の成分にも注意が必要だと説明しています。

愛犬が届く位置に置きっぱなしにしてた!! アブナイ、アブナイ💦
ホワイトチョコのテオブロミンなどについて
今回、ホワイトチョコについてあらためて調べていたところ、一般向けの情報では『ホワイトチョコにもテオブロミンが含まれる』とする説明が見られました。
「もしかして、製品によっては少量含まれることがあるのかな?」と思い調べてみたところ、ホワイトチョコについて一般公開されている3つの論文を見つけました。
また、Merck Veterinary Manuaでは、ホワイトチョコは negligible source(ごくわずかな供給源) とされており、まったく含まれないとは言い切らず、『ごく少ない量』と考えるのが自然な感じです。
このように、論文によって検出結果には差がありますが、少なくとも通常のチョコレートと比べると、ホワイトチョコのチョコレート中毒リスクはかなり低いと考えてよさそうです。
実際、ホワイトチョコのメチルキサンチン量も、ミルクチョコなどよりかなり低い値として示されています。
注意:低脂肪食を食べている子や持病のある子は要相談
たとえチョコレート中毒の危険が低くても、脂肪分の多い食べ物が問題になる子はいます。
たとえば、
といった子では、ホワイトチョコの脂肪分や糖分が負担になる可能性があります。
また、製品によってはチョコ以外の原材料が問題になることもあります。とくにキシリトール入りなら、チョコの種類に関係なく早めの相談が必要です。
ですから、「ホワイトチョコだから大丈夫」と自己判断しすぎず、体質や持病もあわせて考えることが大切です。
まとめ
ホワイトチョコは、一般的なチョコレートよりテオブロミンやカフェインがかなり少なく、典型的なチョコレート中毒のリスクはかなり低いと考えられます。Merck Veterinary Manual でも、ホワイトチョコはメチルキサンチンのごく少ない供給源とされています。
ただし、
といった場合は、話が別です。
少量の誤食で過度に慌てる必要はないケースが多いと思われますが、迷ったときは商品名・食べた量・体重・食べた時刻をメモして、かかりつけ医に相談するのが安心です。
愛犬の体に入るものですから、慎重なくらいでちょうどいいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました(’ü’)




コメント