はじめに
ペットシッターを仕事にしたいと思ったとき、やはり気になるのは「どれくらい稼げるのか」という点ではないでしょうか。
結論から言うと、働き方次第です。
ちなみに、わたしの場合は専業ペットシッターとして、月収はおよそ25〜30万円ほど。
決して高収入とはいえませんが、人間関係のストレスがほとんどなく、自分の裁量で仕事を組み立てられること、そして大好きな動物たちと関わりながら収入を得られていることに、満足しています。
ただし、ここに至るまでが順風満帆だったわけではありません。
開業から約2年間は、月収が5万円に届かない月もあり、貯金を切り崩しながら続けていました。
ペットシッターの収入は、
といった条件によって大きく変わります。
この記事では、できるだけ現実に即した数字とともに、その実情をまとめていきます。
ペットシッターの料金相場
専業・副業にかかわらず、会社に所属せずに個人でペットシッターを行う場合、料金は自分で設定することができます。
一般的には、①時間別、②ペットの種類やサイズ別に分けて料金を決めているケースが多く、わたし自身もそのように設定しています。
1回あたりの報酬目安
①時間別に設定する場合
まず基本となるのが、対応時間による料金設定です。
たとえば、
- 30分:2,000円
- 60分:3,500円(30分あたり1,750円)
- 90分:5,000円(30分あたり1,667円)
といった形で、滞在時間が長くなるほど時間単価を段階的に下げる方法があります。
一見すると、時間が長くなるほど割安にしているように見えますが、実は合理的です。
なぜなら、複数の短時間依頼を受けるよりも、1件の長時間依頼を受けるほうが、移動の負担が少なく、体力的にも安定するケースは少なくないからです。

『滞在時間が長くなるほど時間あたりの単価が安くなります』と設定しておくと「1時間で散歩もして、ご飯も食べさせてね!」というご依頼が「やっぱり2時間でよろしく!」となることがあります。
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時間に余裕があると、犬さんたちが満足するお散歩やお世話をしてあげることができますし、ひとつひとつの仕事も丁寧に行うことができます。win-win☻
②ペットの種類・サイズ別に設定する場合
もうひとつの基準が、ペットの種類やサイズです。
たとえば、1時間あたりの料金を、
といった区分で設定します。
小動物や猫の場合、基本的に散歩がありません。精神的な配慮は必要ですが、体力的な負担は比較的少ないため、料金をやや低めに設定しているペットシッターも多いようです。
一方で、大型犬となると話は別です。散歩ひとつ取っても、体力を大きく消耗します。
体力を使うということは、その日は他に依頼を受けるのが難しくなる可能性がある、ということでもあります。
その点を考慮し、『小動物は比較的安く、大型犬は高めに設定する』というのが一般的な傾向です。
料金設定は、『労力』だけでなく、『その後の仕事の回し方』も見据えて決める必要があります。単純に相場に合わせるのではなく、自分の体力や活動エリアとのバランスを考えることが大切です。
料金設定は基本的に自由ですから、もちろん、動物の種類やサイズに関係なく一律料金にすることも可能です。
ただし、一般的な相場では『小動物や猫のお世話は、大型犬よりも安い』という認識が広く共有されています。そのため、一律料金にしてしまうと、小動物や猫の保護者にとっては割高に感じてしまう可能性があります。
料金はシッター側の都合だけでなく、保護者側の納得感も考慮して決めることが大切です。

都市部と地方のちがい
公開されているホームページの料金を見比べる限りでは、やはり都市部のほうが地方よりも料金設定は高い傾向にあるようです。
もっとも、実際に大きな差を生んでいるのは『地域』よりも『コンセプト』のほうだと感じています。
たとえば、
といったように、専門性や付加価値を前面に出しているシッターは、地域にかかわらず、平均より高い料金を設定しているケースが少なくありません。
単なる『お世話代行』ではなく、「この人だからお願いしたい」と思ってもらえる強みを打ち出せれば、都市部か地方かに関係なく単価を上げることは十分に可能です。
自分の特技や経験を活かしたコンセプトを明確にし、それを実行できる体制を整えること。
それが、料金を引き上げるための一番現実的な方法だといえるでしょう。
夜間や緊急対応の追加料金の相場
夜間や緊急対応を行うかどうかは、ペットシッター本人の裁量によります。
一般的に、保護者さんが宿泊を伴う外出をしている際にお世話を頼まれるケースが多いため、夜間対応ができるペットシッターは需要が高くなる傾向があります。
一般的に、どの業種でも夜間は割増料金になるものです。そのため、ペットシッターが夜間料金を設定することに対して、大きな違和感を持たれることは少ないでしょう。
わたし自身は午後9時~午前0時までのお世話に関しては、通常料金の2割増しという金額を設定させてもらっています。
一方で、夜間には特有のリスクもあります。
多くの動物病院は夜間は閉まっていますし、開いていたとしても深夜料金で高額になる場合がほとんどです。
不測の事態が起きたときにどう対応するのか、どの病院に連絡するのか、費用負担はどうするのか。事前の取り決めはとても重要です。

もっとも、これは夜間に限った話ではなく、日曜・祝日など、動物病院が休診の日も同様のリスクがあります。
さらに、夜間は視界が悪く、周囲の人通りも少ないため、引っ張りの強い犬や拾い食いの癖がある子では、深夜の散歩は難しい場合もあります。
昼間のお世話と同じような内容のお世話はできないことをお伝えし、納得してもらう必要があります。
夜間料金は割高に設定できるため、収入面では効率が良いのは確かです。
昼間は本業で働き、夜間に副業でペットシッターを始めたい、という方もいるかもしれません。
しかし、ペットシッターは基本的に『密室』で行う仕事です。夜間は、昼間にはなかったリスクが加わります。
これは性別にかかわりません。少しでも不安を感じるのであれば、無理に夜間対応をする必要はないとわたしは思います。
一度でも夜間対応を受けると、「前回もお願いできたから」と継続的に求められることもあります。
自分が無理だと感じるのであれば、最初から「夜間対応は行っていません」と明記し、きちんと断ることも大切です。
働き方別の収入イメージ
副業ペットシッターの場合(月収の目安)
副業としてペットシッターを行う場合、本業とのバランスが最優先になります。
無理に予定を詰め込むと、本業にも支障が出かねません。
ここでは、ひとつのモデルケースとして計算してみます。
たとえば、
という働き方を想定してみましょう。
基本単価を1回3,000円とした場合、以下のような計算になります。
あくまで一例ですが、この程度の仕事を行うことができれば、月に約11万円前後は稼げるというイメージですね。
もちろん、単価を高めに設定したり、受ける件数を増やしたりすれば、金額はさらに上がります。
ただし、ペットシッターは依頼があって初めて成立する仕事です。
繁忙期と閑散期の差もありますし、基本的に保護者さんに外出の予定があってこその依頼ですので、毎月必ず同じ件数が入るとは限りません。
思うように仕事が入らない場合は、対応エリアを見直す、料金設定を調整する、周知活動を強化する、といった工夫も必要になります。
とはいえ、地域での認知が広まり、リピーターがついてくれば、上記のような働き方は十分に現実的です。副業であっても、月8万円〜15万円程度を目指すことは、決して不可能な金額ではありません。

最近では、まずわたしの空いている日を確認してくれて、その日に遊びの予定を立てる、という方もいらっしゃいます。お断りするのは辛いので、そのような予定の立て方をして下さる方は本当にありがたいですね☻
ペットシッター会社に所属する場合
わたし自身は会社に所属した経験はありませんが、公開されている求人情報やホームページを確認する限りでは、時給1,300円〜1,800円程度が多い印象です。
仮に時給1,500円で1日8時間、月20日勤務した場合、
となり、月収(額面)はおよそ20万円〜25万円前後になる計算です。
会社に所属する場合のメリットは、
といった点が挙げられます。
また、会社によっては、ペットシッターに必要な資格取得の補助制度を設けているところもあるようです。将来的に独立を目指している場合、そうした支援制度のある会社で経験を積むのは、有効な選択肢のひとつでしょう。
一方で、勤務時間や対応エリアは会社の方針に従う必要があり、自由度という点では、個人開業よりも制限がある場合もあります。
安定を取るか、自由を取るか。
このあたりは、自分の性格や将来設計に合わせて考える必要があります。
専業ペットシッターの場合
専業として活動する場合、月収は働き方によって大きく変わります。
わたしのケースでは、現在は月25万〜30万円ほどを安定的に稼いでいます。
1件あたりの単価は4,000円〜5,000円ですので、平均すると
という感じですね。
ただし、ここに至るまでが順調だったわけではありません。開業から1〜2年ほどは、月5万円稼げれば良いほう、という状態でした。これからペットシッターを目指す方も、同じような時期を経験する可能性は十分あります。
ですが、ペットシッターは一定の需要がある業界です。誠実に活動を続けていれば、少しずつ認知が広がり、リピーターが増え、仕事は安定していきます。
とはいえ、ひとつ現実的な話をすると、専業ペットシッターの収入は「青天井」というわけではありません。
理由は単純で、自分はひとりしかおらず、1日は24時間しかないからです。
同じ時間帯に2件の依頼を受けることはできませんし、1日に回れる件数にも物理的な限界があります。
だからこそ、件数を増やすだけではなく、単価やサービス内容をどう設計するかが重要になります。
では、どうすればより収入を増やすことができるのか。
わたしなりに考えている方法を、次の章でまとめてみます。


1枚の契約書で1回切りのお世話の契約をすることもあれば、2か月分の契約をまとめて(ご予約も兼ねて)行うこともあります。
ペットシッターの収入を増やす方法
リピーターを増やす工夫(口コミ・信頼関係)
収入を増やす方法として、まず挙げたいのが『リピーターを増やすこと』です。
もちろん新規の依頼を増やすことも大切ですが、効率という点で見ると、リピーターの存在は圧倒的に大きいものがあります。
なぜなら、すでに特性を把握している動物のお世話は、断然やりやすいからです。
好きな散歩コース、歩くペース、ご飯の食べ方や食べムラの傾向、ペットシートの敷き方、到着から帰宅までの流れの組み立て方、などなど。
こうした細かな情報をイチから探る必要がありません。
新規の子の場合は、予想外の動きや緊張による変化も起こりがちですが、リピーターであれば時間配分の予測も立てやすくなります。
時間の見通しが立てば、1日のスケジュールを無理なく組めるようになり、結果として効率的に件数をこなせるようになります。
そして何より、リピーターは営業コストがほとんどかかりません。
広告費も集客労力も最小限で、安定した収入につながります。
だからこそ、単発の依頼を追い続けるよりも、一度いただいたご縁を大切にし、継続して任せてもらえる関係を築くことが、収入を安定させる近道になります。
高単価サービスを提供する(しつけ・特別ケア)
収入を増やすもうひとつの方法は、「シッター+α」のサービスを提供することです。
たとえば、
といった形で、専門性を掛け合わせることができます。
ペット業界にはさまざまな資格や分野があります。自分の得意分野と合致するものを見つけ、付加価値をつけられれば、そのぶん単価アップが見込めます。
また、高単価サービスにはもうひとつ大きな利点があります。それは『滞在時間を延ばせる』という点です。
ペットシッターの仕事は、基本的に移動時間が無給(ガソリン代程度)です。そのため、移動が多いほど、実質的な時給は下がります。
たとえば、以下のようなケースを比べてみます。
収入としては同じ9,000円でも、働き方によって実質的な時給は大きく変わります。
さらに、移動が増えれば交通事故のリスクも高まります。その意味でも、ひとつのご家庭で長時間契約をしてもらえるほうが、効率面でも安全面でも有利といえるでしょう。
単価を上げるというと、料金を高くすることだけを想像しがちですが、サービス内容を充実させ、滞在時間を延ばす工夫もまた、現実的な収入アップ戦略のひとつです。
SNSやブログで集客を強化する
予約状況に余裕があって、もっと仕事を増やしたいという場合は、SNSやブログを活用して集客を強化するのもひとつの方法です。
このとき、将来のお客様に向けて「ご予約お待ちしています」というメッセージをただ書くよりも、日々の活動の様子を丁寧に発信するほうが効果的です。
ただし、写真を掲載するにあたっては十分な配慮は必須です。
こうした基本的な安全配慮は欠かせません。
事前に保護者さんの許可を得たうえで、「○○ちゃん、おもちゃが大好き」「◇◇くん、ハーネスがとてもよく似合います」といった一言とともに写真を掲載する。
動物が自然な表情でカメラを見ている写真は、それ自体が大きな信頼材料になります。
動物がリラックスしているということは、シッターとの関係性が良好である証でもあるからです。
売り込むのではなく、日々の積み重ねを見せる。それが、結果として最も自然な集客につながります。

わたし自身は、忙しさにかまけてSNSやブログでの活動報告というのはしたことがないのですが、自分がペットシッターを選ぶ立場で考えると、やはり、お世話した子の写真が掲載されているシッターさんを選びたくなります(^^;)
ペットシッター会社を立ち上げる
個人で活動している限り、収入には物理的な上限があります。より大きく収益を伸ばしたいのであれば、『会社化する』という選択肢もあります。
自分で事業を拡大しつつ、ペットシッターを雇用するか。あるいは、数人のシッターとチームを組み、役割分担をしながら運営するか。
いずれの場合も、ひとりでは受けられなかった件数をこなせるようになるため、収入の拡大は見込めます。
ただし、当然ながら責任も増えます。
スタッフの管理、教育、クレーム対応、保険の整備など、経営者としての役割も担うことになります。
それでも、誰かと協力体制を築けることのメリットは大きいものです。
ひとりで活動していると、体調を崩しても簡単には休めません。トラブルが起きても、最終判断は自分ひとりで下さなければなりません。
仲間がいれば、急な体調不良時にフォローしてもらえますし、難しいケースがあったときに相談できる相手がいるというのは、大きな安心材料になります。
収入の上限を広げるという意味でも、リスク分散という意味でも、会社化やチーム化は、ひとつの選択肢として検討する価値があります。
まとめ
リピーターが確保でき、安定して仕事が入るようになれば、ペットシッターの収入だけで生活していくことは十分可能です。
ただし、個人で活動している限り、収入は青天井というわけではありません。
自分はひとりであり、身体もひとつ。1日に受けられる件数には限界があります。
「とにかく大きく稼ぎたい」という気持ちが最優先であれば、ほかの業種のほうが効率的な場合もあるでしょう。
一方で、動物と関わる時間を大切にしながら、自分の裁量で働き、誠実に積み重ねていく。そうした働き方を望むのであれば、ペットシッターという仕事は十分に現実的な選択肢になります。
さらに収入の上限を広げたい場合は、会社化やチーム運営という道もあります。
どの働き方を選ぶかは、「どれくらい稼ぎたいか」だけでなく、「どんな暮らしをしたいか」によって決まります。
数字だけで判断するのではなく、自分にとっての納得できる働き方を、ぜひ考えてみてください。
最後までお付き合い、ありがとうございました(’ü’)



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