ペットシッターという仕事に興味を持ったあなたへ
はじめまして。
日本の片田舎で約8年ほどペットシッターをしておりました、にこやまと申します。このたびは当サイトにお越しいただき、ありがとうございます。
ペットシッターという仕事に興味はあっても、
と、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
ペットシッターは、ただ動物のお世話をするだけの仕事ではありません。
ご自宅で過ごすペットが安心していつもどおりに暮らせるよう支え、保護者さんにも安心して任せていただくための、責任ある仕事です。
この記事では、ペットシッターの基本的な仕事内容や、求められるスキル、仕事をするうえで大切なことを分かりやすくまとめました。
これからペットシッターを目指したい方の参考になれば幸いです。
ペットシッターの基本情報
ペットシッターって、どんな仕事?
ペットシッターとは、保護者さんに代わってペットのお世話をする仕事です。
食事の用意やお散歩、トイレ掃除など、普段ご自宅で行っているお世話を、保護者さんの不在時に代行します。
基本的には、保護者さんがいつもしていることを、できるだけ普段どおりに行うのがペットシッターの役目です。そのため、事前の打ち合わせで生活リズムやお世話の内容をしっかり確認しておくことが大切になります。
また、場合によっては、留守中のちょっとしたお願いごとを頼まれることもあります。
ただし、保護者さんの希望であっても、ペットにとって負担や危険が大きいことはお引き受けできません。たとえば真夏の暑い時間帯に長時間お散歩させるなど、健康に悪影響があると判断した場合は、お断りすることもあります。
つまりペットシッターは、ただ頼まれたことをこなすだけではなく、ペットにとって何が安全で望ましいかを考えながら対応する仕事だといえるでしょう。

飼育環境についてお伝えすることも
ペットを飼っているからといって、すべての保護者さんが、その動物の習性や飼育環境について十分な知識を持っているとは限りません。
とくに猫の場合は、子猫を保護したことをきっかけに、深く調べないまま飼い始めるケースもあります。
そのため、ご自宅を訪問すると、
といった場面に出会うこともあります。
そうした場合には、保護者さんの気持ちに十分配慮しながら、ペットにとってより良い環境になるよう、必要な知識をお伝えすることもあります。
これもまた、ペットシッターの大切な役割のひとつです。

実際の飼育環境を見ることが出来るというのは、ペットシッターならではの特徴ですね。
どんな動物のお世話をするの?
会社に所属して働く場合は、その会社が対応している動物をお世話することになります。一方で、個人で開業する場合は、どの動物を対象にするかを自分で決めることができます。
参考までに、対象動物を特に限定していない私の場合は、イヌ・ネコのお世話が約9割で、そのほかにイグアナ、熱帯魚、うずら、ハムスター、にわとり、カブト虫などのお世話をお引き受けしたことがあります。
ただし、すべての動物に対応しなければならないわけではありません。
という場合は、開業前の段階で、自分が責任をもって対応できる動物に限定することが大切です。その内容をホームページや名刺などに明記しておけば、特に問題はありません。
無理に対応範囲を広げるよりも、自分が安心して責任を持てる範囲を明確にするほうが、結果として保護者さんにとっても安心につながります。

動物病院でもイヌ・ネコ専門、ウサギ専門、ってとこ、あるもんね
動物病院やペットホテルとの違い
ペットシッターと動物病院・ペットホテルとの大きな違いは、ペットがいつもの自宅で過ごせることです。
たとえ保護者さんが「1日だけだから大丈夫だよ」と優しく伝えたとしても、その意味を正しく理解できる子ばかりではありません。
とくに繊細な子や猫の場合は、たった1日環境が変わっただけでも強いストレスを受け、体調を崩してしまうことがあります。その影響が、数日から1週間ほど続くことも珍しくありません。

お水を飲むのも、おしっこも1日ガマンしちゃったの……

ええ! ぼくは楽しかったけどなぁ

なかにはペットのことを考え抜いた『動物好きが作った最高のペットホテル』もあります。ペットにとって良い方を選ぶことが出来たら良いですね。
その点、ペットシッターであれば、住み慣れた自宅で過ごしながら必要なお世話を受けられるため、環境の変化による負担を抑えやすいというメリットがあります。
ただし、ペットシッターにもまったくストレスがないわけではありません。ペットにとっては、自分のテリトリーに知らない人が入ってくること自体が負担になる場合もあります。
そのため、できるだけ直前に一度顔合わせをしておき、打ち合わせを兼ねて事前に会っておくことで、当日の不安や警戒心を少しでもやわらげられるようにしておきたいところです。
ペットシッターの需要と市場
2024年の全国犬猫飼育実態調査によると、日本ではイヌが約679万頭、ネコが約915万頭飼育されているとされています。
それだけ多くのご家庭で、犬や猫が大切な家族として暮らしているということです。
さらに、J-Net21の調査で『今後ペットシッターを利用したい』と答えた人は、『ぜひ利用したい』『どちらかといえば利用したい』を合わせて4.6%でした。
この数字をもとに単純計算すると、あくまで目安ではありますが、イヌでは約31万頭分、ネコでは約42万頭分の利用ニーズがあることになります。
もちろん、これは飼育頭数をもとにした試算なので、実際の世帯数とは一致しません。同じご家庭で複数飼育しているケースもあるため、そのまま『利用希望世帯数』とは言えないでしょう。
それでも、ペットシッターを必要としているご家庭が一定数あることはうかがえます。
とくに、旅行や出張、入院、冠婚葬祭などで一時的にお世話が必要になる場面は少なくありません。
実際に現場にいても、ペットを住み慣れた自宅で見てほしいというニーズは、決して少なくないと感じています。
※参考:https://j-net21.smrj.go.jp/startup/research/service/cons-pet2.html
ペットシッターの仕事内容とは?
依頼されるおもな仕事(散歩・食事・トイレ掃除など)
ペットシッターの仕事は、ペットの種類や年齢、健康状態によってさまざまです。
ただ、どの現場でも基本になるのは、食事の管理、水の交換、トイレや生活空間の清掃といった、毎日欠かせないお世話です。
まずはこうした基本的なケアをきちんと行い、そのうえで時間や必要に応じて、保護者さんからご依頼のあった内容に対応していく、という形が一般的です。
追加で頼まれる内容には、❶おもちゃで遊ぶ、❷散歩に連れていく、❸療養着を着替えさせるといった、ペットに直接関係することもあれば、④留守中の郵便物の取り込みや⑤植木の水やりなど、家の管理に関することが含まれる場合もあります。
こうしたご依頼をどこまで引き受けるかは、ペットシッターそれぞれの方針によります。
わたし自身は、ペットの安全のために必要な行為か否かに関わらず、無理のない範囲で対応できることはお引き受けするようにしています。

留守だと分かることで防犯面の不安が高まり、結果としてペットに危険が及ぶこともあります。そのため、わたしは、留守宅であることが目立たない範囲のことはできるだけ対応するようにしています。

ペットシッターの1日の流れ
ペットシッターの1日は、季節や時期、ご依頼の件数によって大きく変わります。
このように、イベントの少ない平日などは、ご依頼が1日1~2件ということもあり、比較的ゆとりをもって動けます。一方で、お盆やお正月、ゴールデンウィークなどの繁忙期には、朝5時に家を出て、帰宅が深夜0時を過ぎることも珍しくありません。
仕事が増えれば収入は増えますが、無理をしすぎて体調を崩してしまうと、結果としてご依頼にきちんと対応できなくなるおそれがあります。
そのため、ペットシッターには体力だけでなく、自分がどこまで無理なく動けるかを把握する力も欠かせません。

体力だけでなく、メンタル面も含めて自分のキャパシティを把握しておくことが大切です。
なお、移動時間はそのまま拘束時間になるため、対応エリアの広げすぎには注意が必要です。
保護者さんとの信頼関係の築き方
ペットシッターの仕事をしていると、「動物が相手なら気楽そう」と言われることがあります。たしかに、実際のお世話そのものは、留守のおうちでペットに対して行う場面が中心です。
しかし、その前提として欠かせないのが、保護者さんに『この人なら、自分の留守中の家に入ってもらっても大丈夫』『大切な家族のお世話を任せても安心』と思っていただくこと。
ペットシッターは決してペットとだけ関われば成り立つ仕事ではありません。
保護者さんとの信頼関係があってはじめて成り立つ仕事だといえるでしょう。
では、どうすれば保護者さんから信頼していただけるのでしょうか。
そんなときは、まず『自分なら、どんな人になら安心して任せられるか』を考えてみると分かりやすいと思います。
ちなみに、わたしが『この人は信頼できるペットシッター』だと感じる条件を挙げるすると、たとえば次のようなものがあります。
■ペットへの接し方
■お世話の正確さ
■時間や報告の丁寧さ
■留守宅でのふるまい
こうして見てみると、特別なことばかりではありません。
ひとつひとつは地味でも、当たり前のことを丁寧に積み重ねることが、信頼につながっていくのだと思います。
信頼関係は、一度や二度のやり取りで得られるものではありません。毎回のお世話を誠実に積み重ねながら、少しずつ「この人なら大丈夫」と思っていただくことが大切です。

信頼は、特別なサービスよりも『約束を守る』『勝手なことをしない』といった当たり前の積み重ねで生まれることが多いです。
ペットシッターになるために必要なスキル
動物に関する知識(しつけ・健康管理・行動心理など)
ペットシッターとして働くうえでは、動物に関する基本的な知識が欠かせません。
たとえば、次のような知識は特に重要だとわたしは考えています。
もちろん、知識は多いに越したことはありません。
ただし、ペットシッターは獣医師ではないため、病気や治療について専門家と同じレベルの知識まで求められるわけではありません。
それでも最低限必要なのは、『この状態はいつもと違う』『病院に相談したほうがよい』と判断できる程度の知識です。
ペットの異変に早く気づけるかどうかは、とても大切だと思います。

/↑【イヌ・ネコ 家庭動物の医学大百科 改訂版】はつねに車に積んでいます。\
また、しつけについても同様です。
わたし自身は専門的なしつけ指導までは行わず、必要があれば知人の訓練士(ドッグトレーナー)を紹介するようにしています。

散歩の練習などは、中途半端に関わるとかえってクセがつき、訓練が難しくなることもあります。餅は餅屋。しつけについては、その道のプロにつなぐようにしています。

きょうは、ひっぱらない練習と、ひろい食いをしない勉強をしました
ペットシッターに必要なのは、すべてを自分ひとりで解決する力ではなく、異変に気づき、必要に応じて適切な人につなぐ力でもあります。
さらに、動物の行動心理や感情表現に関する知識は、あればあるほど役に立ちます。
本を読んだり、動物の生態に関する映像を見たり、実際に飼っている人の話を聞いたりしながら、日頃から学び続けることが大切です。
動物は言葉で気持ちや体調を伝えてくれません。
それでも、目線やひげの動き、しっぽの状態、歩き方、普段のしぐさなどを理解する知識があれば、『今は不安そうだな』『何かしてほしいのかもしれない』と気づける可能性はぐっと高くなります。
病気・ケガなどの緊急時の対応力
ペットシッターの仕事では、思いがけないトラブルが起こる可能性もあります。
たとえば、次のようなケースです。
どれだけ注意していても、予想外のことが起こる可能性をゼロにはできません。だからこそ、いざというときに慌てないための準備が必要です。
事前の打ち合わせでは、少なくとも次のような点を確認しておきたいところです。
このような内容を前もって話し合っておくことで、緊急時にも落ち着いて動きやすくなります。
また、こうした取り決めは口約束だけで済ませないことも大切です。
あとから『言った・言わない』のトラブルにならないよう、1回だけ・1日だけのお世話であっても、契約書は必ず作成しておくことをおすすめします。

コミュニケーション能力
どれだけ犬や猫に好かれていても、保護者さんから信頼していただけなければ、お仕事にはつながりません。

人と関わるのが苦手だからペットシッターをしたいのに……。やっぱり人とのコミュニケーションも必要なのかぁ……。
とはいえ、保護者さんと関わる時間は、多くの場合、事前の打ち合わせや鍵の受け渡しのときが中心。
一般的な会社勤めのように、毎日長時間だれかと顔を合わせ続ける働き方ではありません。そう考えると、対人関係の負担は比較的少ない仕事だといえるでしょう。
また、ペットシッターをしていて感じるのは、人との会話がとても上手でも、ペットがなかなか安心できていない人もいれば、人とのやり取りは少し不器用でも、ペットにはとても好かれる人もいる、ということです。
そして実際には、後者のような人を信頼する保護者さんも少なくありません。
ペットが安心して過ごせている様子を見ることで、「この人なら大丈夫そう」と感じてもらえることもあるからです。
もちろん、最低限の礼儀や分かりやすい説明は必要です。ただ、対人コミュニケーションが得意でなくても、ペットに安心してもらえることは大きな強みになります。
動物が好きな人は、動物の前では自然と表情がやわらかくなるものです。
あとは、明るく聞き取りやすく話すことを意識するだけでも、印象はかなり変わります。

要するに、対人関係に強い苦手意識があっても、それだけでペットシッターをあきらめる必要はないですよ、ということです。
スケジュール管理能力
ひとりで開業するのであれば、スケジュール管理能力は欠かせません。
新しいご依頼をお引き受けする際には、たとえば次のような点を確認する必要があります。
上記の確認は必須ですが、単に時間の帳尻を合わせるだけでは不十分です。
といった点まで含めて、自分のキャパシティを超えないよう調整していくことが大切です。
時間的には入れられそうでも、肉体的・精神的に無理がありそうな仕事は引き受けない。
これは、ペットシッターを長く続けていくための大切なコツでもあります。
まとめ:ペットシッターを目指すあなたへ
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
ペットシッターという仕事に少しでも興味を持っていただけたなら、とてもうれしく思います。一方で、大変なことや気をつけるべきことも多く書いてきましたので、少し不安に感じた方もいらっしゃるかもしれません。
実際、ペットシッターの仕事は楽なことばかりではありません。体力も気力も必要ですし、責任の重さを感じる場面もたくさんあります。
それでも、自分の訪問を喜んでくれるペットがいて、自分の行動でその子を安心させたり、楽しませたりできる。保護者さんが気づいていなかったことに気づき、ひとことお伝えすることで、飼育環境がより良くなることもある。
また、保護者さんが安心して仕事や外出の時間を過ごせることで、結果としてペットとの暮らしがより良いものになることもあります。
そうした積み重ねの中で、やりがいを感じられる、とても意義のある仕事だとわたしは思っています。働き方を工夫すれば、しっかり収入につなげていくことも十分可能です。
動物が好きで、その気持ちを仕事にしたいと思っている方にとって、ペットシッターはきっと目指す価値のある仕事です。
いつの日か実際に目指してみようと思っていただけたなら、とてもうれしく思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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