今回のまとめは子犬期のワクチンスケジュールについて。
「子犬って、いつ、何のワクチンを打てばいいんだろう?」
はじめて犬を迎える方や、愛犬がお母さん、お父さんになって、もうすぐ子犬が産まれるという方などの多くが、ワクチン接種のスケジュールに不安や戸惑いを感じています。
じつは、こうした迷いに答えるために、国際的なガイドラインが作られているんです。
この記事では、ワクチネーションガイドライングループ(VGG)による推奨スケジュールをもとに、子犬のワクチン接種についてわかりやすくまとめました。
誕生日別の例や、それぞれのワクチンの役割など、愛犬の健康を守るために知っておきたいポイントをまとめてみました。どなたかの参考になれば幸いです。
国際ガイドラインについて
WSAVAとは、『World Small Animal Veterinary Association.』の略で、日本語にすると【世界小動物獣医師会】を意味し、その名のとおり、世界中の多くの獣医師らで構成されています。
2004年、このWSAVAにおいて、

世界的に適用される犬および猫のワクチン接種に関するガイドラインを作ろう!
という動きがおこり、これを目的とした『ワクチネーションガイドライングループ(Vaccination Guidelines Group、VGG)』が結成されました。
VGGは2007年に最初の国際ガイドラインを発表。
その後、2010年、2015年の改定をへて今に至ります。
愛犬の誕生日について
VGGが制定したワクチネーションガイドラインは、ペットの誕生日のある週を0週齢として以降のスケジュールが立ててあります。
ですので、前提として子犬の誕生日を知っている必要があるのですが、動物愛護センターから譲り受けたり、偶然どこかでめぐり合ったりして、子犬の誕生日が不明なケースもあるかと思います。
そのような場合は、動物病院で獣医師に相談してみると良いでしょう。
正確な年齢はわからなくても歯や目の状態、歩き方などでおおよその年齢を教えていただけるかと思います。
ワクチン接種のスケジュール
ワクチンには、
- 法律で摂取が義務づけられている狂犬病ワクチン
- すべての犬が摂取すべきとされるコアワクチン
- 地域などの事情によって摂取の必要性が分かれるノンコアワクチン
があります。以下、順に解説していきます。

狂犬病ワクチンについて
日本においては、狂犬病予防法上、1年に1回の接種が義務づけられており、子犬は生後91日後以降、狂犬病ワクチンを接種しなければなりません。
生後91日後はコアワクチンの2回目の接種(12週齢)あたりですが、狂犬病ワクチンはほかのワクチンとの同時投与は避けるべきとされています。
場合によっては、ほかのワクチン接種から1ヶ月以上間隔をあける必要もありますので、いつ接種するかについては獣医師とご相談ください。
コアワクチンについて
コアワクチンは、住んでいる地域やその病気にかかるリスクがあるか否かなどにかかわらず、すべての犬が接種すべきとされるもので、以下の三つがあります。
VGGの推奨する子犬期のコアワクチン接種スケジュール
- 子犬の誕生日のある週を0週齢として、6~8週齢で初回コアワクチンを接種し、
- その後、16週齢またはそれ以降まで、2~4週齢間隔でコアワクチンを接種する、
というのがVGGの推奨するコアワクチンのスケジュールです。
初回から2回目、2回目から3回目のコアワクチン接種の間隔を最短にするか最長にするかなどによって、摂取する回数が3回になるか4回になるかが変わってきます。
| 例① | 例② | |
|---|---|---|
| 初回のワクチン | 7週齢 | 8週齢 |
| 2回目のワクチン | 10週齢(3週齢後) | 12週齢(4週齢後) |
| 3回目のワクチン | 13週齢(3週齢後) | 16週齢(4週齢後) |
| 4回目のワクチン | 16週齢(3週齢後) | ― |
上記の表の2パターンはあくまで一例です。
表のパターン以外にも考えられるワクチン接種スケジュールはいくつかあります。
イギリスでは、1回目8週齢、2回目12週齢、3回目16週齢のスケジュール(以下の画像参照)でコアワクチンの接種が行われています。
お誕生日が1月1日の子の場合

たとえば、お誕生日が1/1の場合、
というスケジュールを組むことができます。
ただ、どのようなスケジュールを組むかは、子犬の健康状態や体重、他の病気の有無などによって変わってくるかと思います。
くわしくはかかりつけの獣医師と相談のうえ、お決めいただければと思います。
3回目のワクチン接種後の選択肢
上記のケースにおいて、無事に16週齢を迎え3回目のコアワクチン接種が済んだら、次のワクチンについて、保護者さんは以下の3つの道のいずれかを選ぶことができるようになります。
- 20週齢で抗体検査をする
- 26週齢で再接種する
- 52週齢で再接種する
❶ 20週齢で抗体検査をする
20週齢を迎えたところで、抗体検査(犬用ワクチチェック)を行うことができます。
犬用ワクチチェックとは犬の血液を採取して、抗体があるかどうかを調べる検査です。
抗体があると認められた場合、26週齢および52週齢のワクチン接種が不要となります。
以降は成犬のプログラムにうつれますので、16週齢のワクチン接種後、次の接種は3年後の3歳4ヵ月弱(16週齢)あたりで接種すればよいことになります。
ただ、抗体検査してみたけれど抗体がない場合には、26週齢または52週齢でのワクチンの再接種が必要です。
抗体がある ➡ 26週齢および52週齢のワクチン接種が不要
抗体がない ➡ 26週齢または52週齢でのワクチンの再接種が必要
❷ 26週齢(およそ誕生日の半年後)にワクチンの再接種をする
上記に該当する場合、26週齢(およそ誕生から6カ月後)にワクチンの再接種を行います。
26週齢でワクチン接種をした場合、52週齢のワクチンは不要です。
以降は成犬のプログラムに移れますので、26週齢のワクチン接種後、次の接種は3年後の3歳6ヶ月あたりで接種すればよいことになります。
❸ 52週齢(およそ誕生日の1年後)にワクチンの再接種をする
上記の3項目のいずれかに該当する場合、52週齢(およそ誕生から1年後)にワクチンの再接種を行います。
以降は成犬のプログラムに移れますので、52週齢のワクチン接種後、次の接種は3年後の4歳の誕生日あたりで接種すればよいことになります。
再接種の時期を26週齢にするか52週齢にするかは、愛犬の健康状態を獣医師に診てもらったうえで、相談されてみるのが良いかと思います。
ノンコアワクチンについて
犬のノンコアワクチンは、その病気がまったく存在しない地域やかかる可能性が非常に低い地域では接種しなくてもいい、と考えられているワクチンで、以下の4つがあります。
各種ノンコアワクチンの接種スケジュール
犬パラインフルエンザウイルス
犬パラインフルエンザウイルスも子犬の誕生日のある週を0週齢として、6~8週齢で初回ワクチンを接種します。
その後、16週齢またはそれ以降まで2~4週齢間隔でワクチンを接種し、26週齢(6カ月後)または52週齢(1歳齢)に再接種を行います。
16週齢のワクチンまでは、コアワクチンと一緒のタイミング(混合ワクチン)で行って問題ありませんが、その後は、コアワクチンの抗体検査を20週齢で行うか行わないかなどでタイミングがズレる可能性があります。
6カ月後または1年後に再接種したら、次回からは成犬のスケジュールに移行し、年1回のペースで接種していきます。
レプトスピラワクチン
レプトスピラのワクチンはこれまでのワクチンとは、ちょっとちがいます。
8週齢以降に初回接種、2~4週後に2回目の2回の接種で子犬期のワクチネーションが終了し、次回からは年1回の成犬プログラムに進むことができます。
たとえば、初回8週齢、2回目12週齢でワクチンを接種したら、次回は1年12週齢、次回は2年12週齢で行うことになります。
ただし、レプトスピラだけの単体ワクチンも製造はされているようですが、病院によっては単体ワクチンは置いていない可能性もあります。
もしかしたら取り寄せは出来るかもしれませんが、その場合、費用が高くなったり、取り寄せに時間がかかったりするかもしれません。くわしいことはかかりつけの動物病院にお尋ねください。

あなたの選択が、あなたの愛犬の未来を決める
以上、VGGのガイドラインにそった場合の子犬期のワクチン接種スケジュールについて解説していきました。
ワクチンを接種すべきか否かについて、考え方はヒトそれぞれだと思います。

感染症が心配だからしておこう

副作用が怖いからしたくないなぁ……
どちらの考えも、とてもよくわかります。
愛犬がワクチン対象のウイルスに感染するかは、誰にも予測できません。
生涯一度もウイルスに接触しないかもしれないし、明日、そのウイルスをもった動物と接触してしまうかもしれない。
ただ、間違いなくいえることは、あなたの選択が、あなたの愛犬の未来を決めるということです。

わたしは感染のリスク回避のため、愛犬にはワクチンを接種してもらっていました。
生きているうちにウイルスと接触したかを調べる術はありませんので、わたしの選択が正しかったのかどうかは分かりません。

うーん、感染症は怖いけど、基礎疾患があるからワクチン接種するのも怖いなぁ
など、何かしら不安があるのであれば、ひとりで悩まず、ぜひ獣医師に相談してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました☻
・WSAVA 犬と猫のワクチネーションガイドライン2015年版



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