はじめに
ペットシッターを始めたばかりの頃は、思うようにご依頼が入らず、不安を感じることも多いものです。
ですが、この仕事は決して需要が少ないわけではなく、認知が広がるにつれて少しずつご依頼は増えていきます。
少しずつご依頼をいただけるようになってきたら、続いて出てくるのが「せっかく初回のご依頼はいただけたのに、その後に繋がらない……」という悩み。
実際、ペットシッターという仕事は、新規のお客様を増やすこと以上に、リピーターや口コミによって安定していく仕事でもあります。
ちなみに、わたしが現在お受けしているご依頼のうち、約95%はリピーターのお客様です。
特別なことをしているわけではありませんが、日々の対応を少し工夫するだけで、「またお願いしたい」と思っていただける機会は確実に増えていきます。
この記事では、「なかなかリピーターが増えない」と感じている方に向けて、わたし自身の経験をもとに、口コミやリピーターを増やすために意識していることを具体的にまとめました。
これからペットシッターとして活動していきたい方、すでに始めているけれど伸び悩んでいる方のヒントになれば幸いです。
なぜ口コミとリピーターが重要なのか
ペットシッターという仕事は、リピーターの存在があってこそ成り立つ仕事です。
たとえば、人口1,000人の町があるとします。
そのうち、ペットを飼っている人が300人だった場合、わたしたちペットシッターに依頼してくれる可能性があるのは、この300人に限られます。
当然のことですが、ペットシッターを利用するのは『ペットを飼っている人だけ』です。スーパーやコンビニのように、町に住む1,000人すべてが利用するサービスではありません。
つまり、1回きりのご依頼で終わってしまうということは、限られた見込み客の中から、お客様が1人ずつ減っていくということでもあります。
こうして考えると、『ペットシッターはリピーターがいないと続けていくのが難しい仕事』という意味が、少し現実的に見えてくるのではないでしょうか。
だからこそ、1回1回のご依頼を大切にし、「またお願いしたい」と思っていただける関係を築くことが、何よりも重要になってきます。

新規集客よりも安定する
新規のお客様からのご依頼は、どうしても気を配る場面が多くなります。
なぜなら、
すべてが未知数の状態からスタートしなければならないためです。
わたしが新規のご依頼をお受けするときは、前後のスケジュールにかなり余裕を持たせるようにしています。どの場面でどれくらい時間がかかるか、実際にお世話をしてみないと分からないからです。
一方で、リピーターのお客様の場合は大きく状況が変わります。
何度かお世話をさせていただく中で、その子の散歩のペースや折り返しのタイミング、ご飯の食べ方、好きなこと・苦手なことなどが自然と把握できるようになるからです。
さらに、ペット自身も多くの場合「この人は一定時間で帰る人」と理解してくれるため、落ち着いて過ごしてくれることが増えます。その結果、お世話の流れがスムーズになり、予定通りに仕事を進めやすくなります。

さすがに爬虫類や魚類との意思疎通はむずかしいですが、犬さんや猫さんは帰りの時間が近くなると決められたお部屋に入れられるのを察して逃げたり、隠れたり、逆に自分から入ってくれたり。
その頭のよさに毎日驚かされています。
スケジュール管理が安定するということは、そのまま収入の安定にもつながるということです。
リピーターが増えるほど、仕事は効率的かつ安定的になっていきます。
広告費をかけずに仕事が増える
口コミでお仕事が広がるようになると、広告にかける手間やコストを大きく減らすことができます。
ペットシッターという仕事は、そもそも広告や宣伝の方法が難しい業種です。
『どこに広告を出せば依頼につながるのか』が分かりにくく、試行錯誤になりやすいという特徴があります。
わたし自身が開業直後にした宣伝は、ココナラでプロに広告を作成してもらい、それを動物病院やペットサロンに持ち込んで設置してもらえないかお願いして回るという、きわめてアナログな方法でした。ました。
TVCMで話題のココナラ初めての個人事業で、しかも少し特殊な仕事ということもあり、商工会などに相談しても明確な答えは得られず、ひとりで試行錯誤を重ねる日々でした。
無料ブログでホームページを作成したこともありますが、しばらくの間は問い合わせよりも、SEOや広告の営業電話ばかりがかかってくる状態。

ヒマだったので話を聞いてみたら、広告を打つのに最低でも30万円と言われ(笑)わたしには無理そうですと丁重にお断りしました。
電話の営業には応じませんでしたが、初回無料クーポンを自作してみたり、チラシをポスティングしったりと自分なりにいろいろ試してみましたが、結果として思うような反響は得られず、無駄になってしまった費用も少なくありません。
もちろん、お金をかけて広告を出したからといって、必ずしも依頼につながるとは限りません。
それに対して、リピーターのお客様からの口コミはどうかというと、わたしの経験ではほぼ100%の確率でご依頼につながっています。
たとえば、「知り合いがペットシッターを探しているから紹介しておいたよ」とお声がけいただいた場合、その後ほぼ確実にご連絡をいただけます。

さらにありがたいのは、紹介してくださる方と似た価値観を持った方が多いことです。いわゆる『類は友を呼ぶ』ですね。
しかも、共通の知人がいることで信頼関係が築きやすい状態からスタートできるため、対応もしやすくなります。
このように、口コミは単なる集客手段ではなく、効率と質の両方を高めてくれる仕組みでもあります。
信頼が次の依頼を呼ぶ
ペットシッターという仕事は、基本的に閉鎖的な環境で行われます。
保護者さんとそのペットと向き合う時間がほとんどで、第三者に仕事ぶりを見てもらう機会はほとんどありません。
だからこそ、『ペットシッターを探している人』にとって、実際に利用した方の感想はとても重要な判断材料になります。
どんな人なのか、どんな対応をしてくれるのか。その『人となり』を知るための貴重な情報源が口コミです。
たとえば、病院や個人経営のサロンなど、『人』が重視されるサービスにあまり良くない口コミがあれば、利用をためらう方も多いのではないでしょうか。

わたしも、ご飯屋さんは口コミの評判が悪くても気にせず行く方ですが、病院や美容室の口コミが悪いと行くのをためらってしまいます。
ペットシッターも同じで、口コミはご新規さんが依頼するかどうかを決定する大きな要素になり得ます。
そして、良い口コミは単なる評価ではなく、深い信頼の証です。
たとえば、AさんがBさんにわたしを紹介してくださったとして、Bさんが「思っていたほどではなかった」と感じたら。わたしだけではなく、紹介してくださったAさん側の信頼にも影響が出てしまいます。
つまり、Aさんは

この人に任せれば、大丈夫。私の評価を下げるような、気を抜いた仕事をする人ではない!
とわたしを評価してくださった、ということ。
だからこそ、「〇〇さんの紹介で」とご依頼をいただいた場合には、より一層気を引き締めてお仕事に向き合います。
自分自身の評価だけでなく、ご紹介くださった方の信頼も背負っているという意識があるからです。
口コミとは、ただ仕事を増やすための手段ではなく、信頼が次の信頼を呼ぶ仕組みなのだと、日々実感しています。
ペットシッターを続ける中で、老犬介護や食事の相談を受けることも少なくありません。
実際に現場で役立ったグッズについては、こちらの記事でまとめています。
口コミやリピーターを増やす方法
では、どうすれば口コミの評価を高めてもらえたり、リピーターになっていただけたりするのでしょうか。
ここでは、わたし自身の経験をもとに、意識していることを具体的にご紹介します。
初回の印象で「また頼みたい」と思ってもらう
ご依頼が2回、3回と続くかどうかは、初回の印象で決まると言っても過言ではありません。
なぜなら、初回で「うーん、この人は違うかも」と思われてしまえば、次にお会いする機会(つまり挽回する機会)も失ってしまうからです。
では、どうすれば「また頼みたい」と思っていただけるのでしょうか。
よく『人は中身が大事』と言われますが、実際には第一印象も非常に大きな要素です。
まず大前提として、清潔感があること。これは、他人の家に上がるのですから当然です。
そして、ひとつひとつの動作や言葉遣いが丁寧であることも重要です。
たとえば、
これらをひと言でまとめるなら『思いやりのある人であること』。これに尽きます。
「自分が依頼する側だったら、何を知りたいか」。どんな状況でも、相手の視点に立って考えることで、自然と『自分が今、なすべきこと』は見えてくるはずです。
参考までに、わたしが初回の打ち合わせで必ず行っていることは以下の通り。
ただし、人によって『この人は信頼できる』と感じるまでの基準やスピードは異なります。すべての方に初回で「この人は信頼できる」と評価していただくことは難しいと思っておいた方が賢明です。
他人の気持ちはコントロールできません。
「絶対に信頼してもらうんだ!」と気負うのではなく、その時に自分に見せられる精一杯の誠意を丁寧に示すことが何より大切だと考えています。

フォロー対応で「記憶に残る人」になる
初回のお世話が終わったあとにも、できることがあります。それが『フォロー対応』です。
わたしの場合、基本的には以下のタイミングで保護者さんへご連絡をしています。
そして初回に限り、これに加えて、その日のうちに『御礼のメッセージ』をお送りするようにしています。
内容はシンプルで、『本日はお世話をさせていただきありがとうございました』という感謝の気持ちと、お世話の中で気づいたことがあれば、その共有を添える程度です。
ここで大切なのは、『営業感を出さないこと』です。次のご依頼につなげようとする意図が見えてしまうと、かえって距離を感じさせてしまうことがあります。
また、人によっては頻繁な連絡を好まない方もいらっしゃるため、とくに緊急の用事がないかぎり、わたしは翌日以降にこちらからご連絡をすることはありません。

あるいは、届くのが翌日以降になるとしても、『お世話中に撮影した写真を添えたお礼のお手紙などをお送りする』というのは良いかもしれませんね。
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保護者さんは100%、自分のペットの写真や動画を一番喜ばれますので、忘れたころにベストショットの写真とお礼メッセージが届けば良い印象になるのは間違いないと思います。(ちょっとお金がかかるのが欠点ですが)
強く印象に残るのは、特別なことをしたときではなく、さりげない気遣いが感じられたときだったりします。
「またお願いしたい」と思っていただけるかどうかは、『思いやりの気持ち』の小さな積み重ねによって変わってくるのだと感じています。
紹介や口コミを自然に増やす仕組みを作る
何度もお伝えするように、ペットシッターは外から仕事内容が見えにくい仕事です。
そのため、実際にサービスを利用した方の体験談は、これから依頼を検討している方にとって、とても重要な判断材料になります。
とはいえ、口コミを書いてもらうために保護者さんに面倒をおかけしてしまうのは本意ではありません。
そこで有効なのが、口コミを書いていただける「仕組み」をあらかじめ用意しておくことです。
たとえば、ブログやSNS、Googleマップなど、第三者が閲覧できる場所に口コミを書き込める環境を整えておくことで、自然と情報が蓄積されていきます。
ただし、口コミを書くという行為は、お客様に時間を使わせてしまうものでもあります。お願いすれば必ず書いてもらえるというものではありません。
もしも、自分の事業が『まずは口コミを増やしたい!』という段階であれば、口コミを書いてくださった方に対して、❶次回割引チケットや、❷お世話時に撮影したペットの写真(額装済み)など、ささやかな特典を用意するのもひとつの方法です。
すべてが良い口コミになるとは限りません。
もし厳しいご意見をいただいた場合には、自分の改善点として受け止め、今後のサービス向上に活かしていくことが大切です。
また、誰でも自由に書き込める場所には、利用者ではない第三者による悪意ある口コミが投稿されるリスクもあります。
こうしたリスクを避けるために、実際にご利用いただいた方のみが投稿できる仕組みを取り入れるなど、発信の場を選ぶことも重要なポイントです。
口コミは自然に広がるものですが、環境を整えることで、その広がりを後押しすることができます。
やってはいけないNG行動
リピーターにつながらない行動は、それほど難しく考える必要はありません。
「自分がお客だったらどう感じるか」を基準にすれば、自然と見えてきます。
たとえば、誰にでも「これをされたら、もう二度とその店は利用しない」と思うことがあるはずです。それを(保護者さんから指示されない限り)絶対にしないこと。それだけでOKです。
わたしの場合、以下のような対応をされると、不安や不信感につながります。
挙げればきりがありませんが、こうした行為によって「この人には任せられない」と判断されてしまえば、それで終わりです。
場合によっては、一度の対応で信頼を失い、挽回の機会すら得られないこともあります。
だからこそ、1件1件のご依頼に対して真摯に向き合い、「わたしは今、○○さんの大切な家族と財産を預かっている」という意識を持って、丁寧に仕事をすることが何より重要です。
当たり前のことを当たり前に積み重ねることが、結果としてリピーターや信頼につながっていきます。
まとめ
ペットシッターという仕事は、新規のお客様を増やすこと以上に「またお願いしたい」と思っていただける関係を築くことが大切な仕事です。
口コミやリピーターは、特別なことをした結果として生まれるものではありません。
ひとつひとつのご依頼に対して、丁寧に向き合い、誠実に対応する。その積み重ねの先に、自然と生まれていくものです。
初回の印象、フォロー対応、日々の仕事の質。どれも決して派手なものではありませんが、どれも欠かすことのできない要素です。
そして何より大切なのは『大切な家族と財産を預かっている』という意識を忘れないこと。
その気持ちを持って向き合っていれば、信頼は少しずつ積み重なり、やがて口コミとなり、リピーターという形で返ってきます。
焦らず、ひとつひとつのご依頼を大切に。
その積み重ねが、安定した仕事へとつながっていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました(’ü’)



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