はじめに
ペットシッターとしてお世話に入っていると、思いがけない出来事に出会うことがあります。
たとえば、到着してみたら聞いていた状況とちがう、ペットの体調が急に変わった、いつもいる場所にいないなど。
こんなときは、すぐにでも保護者さんへ確認しなければなりませんが、そんなときに限って、電話やメッセージがなかなかつながらない、ということも。
旅行中や仕事中、移動中など、保護者さんにもすぐに対応できない事情はあります。だからこそ、ペットシッターの仕事中は『何かあってから考える』のではなく、事前に連絡がつかない場合はどうするかを話し合い、決めておくことがとても大切になります。
この記事では、保護者さんと連絡がつかないときに慌てないために、事前に決めておきたいことや、実際の対応の考え方をわかりやすくまとめます。
保護者さんと連絡がつかない場面は、実際に起こりうる
『緊急時には、すぐ連絡すれば大丈夫』と思っていても、現実にはそううまくいかないこともあります。
たとえば、仕事や会議中ですぐに出られない、飛行機や新幹線で移動中で出られないといったことは、珍しくありません。
ペットシッター側としては一刻も早く確認を取りたい場面でも、保護者さんからの返事がすぐに来るとは限りません。
そのため、『連絡がつかないこともある』という前提で準備しておくことが、いざというときの大きな安心材料なのです。
連絡がつかないと、困るのはどんな場面?
保護者さんと連絡がつかずに困るのは、急いで確認したいことが起きたときです。
とくに保護者さんの判断が必要となるような場面では、事前の取り決めがあるかどうかで対応のしやすさが大きく変わります。
ペットの体調に異変があるとき
体調面で気になる変化があるときは、すぐに保護者さんへ伝えたいところです。
緊急性の高いケースでは、保護者さんからの折り返しの電話を待っているあいだに状態が悪化するおそれもあります。
ペットが見当たらないとき
室内のどこかに隠れているだけなのか、危険な場所に入り込んでいるのか、それとも脱走の可能性があるのか。あるいは、こちらに伝え忘れているけれど、急きょ病院に預けることになった、という可能性もあります。
不在の事情によって対応は大きく変わるため、確認できないままだと、どう動いていいか分かりにくい状況です。
予定外の対応が必要なとき
たとえば、
といった場合です。
こうした場面では、どこまでの判断をペットシッター側で行ってよいのかを決めておかないと、どう動いていいのか迷いやすくなります。

連絡がつかないときに備えて、事前に決めておきたいこと
保護者さんの側にも事情はありますので、連絡がつかないこと自体を防ぐのは難しいこともあります。
ただ、連絡がつかなくても、つながらないときの動き方を事前に決めておくことはできます。
緊急連絡先を複数うかがっておく
まず大切なのは、保護者さん本人以外の連絡先を確認しておくことです。
たとえば、
などです。
もちろん、誰にどこまで連絡してよいかは、事前に了承を得ておく必要があります。
『本人につながらない場合は、次にどこへ連絡するか』を決めておくだけでも、いざというときの安心感が大きく違います。
お世話時間帯は電話に気づいていただけるようお願いする
毎回確実に対応していただくのは難しくても、お世話の予定時間帯だけは電話やメッセージに気づきやすい状態にしておいてほしいと、あらかじめお伝えしておくのも大切です。
事前打ち合わせや鍵のお預かりの際に、

もし何かあれば電話を差し上げますので、お世話の時間帯は気をつけておいていただけますと助かります。
というように、お願いしておくとよいでしょう。
「電話には必ず出てくださいね」と強く求めることはせず、あくまで、「万一のときに早く対応できるようにするための共有です」としての姿勢でお伝えしましょう。
連絡がついた場合の対応を決めておく
何かあったとき、連絡がつけばその場で相談できます。
ですが、それでも緊急時はパニックになってどうしたらいいか迷ってしまう可能性があります。いざというとき判断がぶれないように、あらかじめ次のような点を確認しておくと安心です。
ここまで決めておくと、連絡がついたあとも的確に動きやすくなります。
連絡がつかなかった場合の対応も決めておく
考えておくべきは、こちらの方がメインです。
『万が一のときに、保護者さんに連絡がつながらなかったらどうするか』が決まっていないと、現場でどうしたらいいかわからず、作業が止まってしまうからです。
たとえば、
- 電話は何回かけ直すか
- 電話のあと、返信は何分ほど待つか
- 次に誰に連絡を入れるか
- 連絡がつかなくても病院受診すべきか
- 不在のペットを探すために普段は閉めている部屋も確認してよいか など
このあたりを事前に取り決めておくと、ペットシッター側も保護者さん側も安心しやすくなります。
わたしの体験談
猫の姿が見えず、あせった話
以前、犬と猫の多頭飼育のお宅に伺ったときのことです。到着していつものようにお世話を始めようとしたところ、そのうちの1頭の猫の姿が見えませんでした。
わたしが立ち入りを許可されている場所をくまなく探しましたが見つからず、すぐに保護者さんへ連絡しましたが、そのときは通じませんでした。
多頭飼育でしたので、ほかにお世話をすべき子も複数います。気になりつつも、ひとまず犬の散歩へ行き、戻ってから再度連絡してみることにしました。すると、今度は連絡がつき、状況をお伝えすることができました。
話を聞くと、ある一室に閉じ込めてしまったかもしれないとのこと。その部屋は普段は閉まっており、わたしがその部屋を開けることはない場所でした。保護者さんの許可をいただいたうえでその部屋を開けてみると、猫はその部屋の真ん中でぐっすり眠っていました。
無事が確認できたあとは、その旨を報告し、その子を普段いる部屋へ戻して、お世話を続けました。
このとき強く感じたのは、『保護者さんと連絡がつかなかった場合にどうするか』を、最初から決めておく大切さです。
もし再度連絡がつかなかったらどうするか、どこまで確認してよいかが事前に決まっていれば、もっと落ち着いて対応できたと思います。

実際に決めておくと安心な項目
打ち合わせの際には、次のような内容を確認しておくと安心です。
緊急時の連絡先
普段の連絡先がLINEであれば、メールやショートメールなどを送ってみるのもひとつの手です。着信音を異なる設定にしている方も多いため、気付いてもらえる可能性はあがります。
連絡がつかない場合の流れ
- まず電話をする
- 出なければメッセージを送る
- ○分後に再度連絡する
- それでもつながらなければ緊急連絡先に連絡する
この流れを報告として逐一お伝えするとともに、シッターと保護者さんが双方確認することができる契約書やカルテなどに残しておくと、後日にも確認しやすくなります。
緊急時の判断範囲
このあたりのことが曖昧だと、現場でとても迷います。
ペットシッターとして、いざというときに動物を守れる判断力や行動力は大切ですが、あらかじめ想定される状況に関しては、保護者さんとともに事前にきちんと備えておくことが、余裕ある行動に繋がります。

『いざというときに動物を守れる判断力や行動力』は想定外のことが起こったときに発揮しましょう。
『連絡がつかないときのルール』は、信頼関係を守るためにも必要
こうした取り決めをすると、『こんなこと、起こるわけがないのに』『細かすぎると思われないだろうか』と感じることがあるかもしれません。ですが、これはトラブルを防ぎ、信頼関係を守るために大切なルールです。
保護者さんから見ても、
がわかっていると、安心してお願いしやすくなります。もちろん、ペットシッターにとっても、緊急時の迷いが減り、落ち着いて行動しやすくなります。
『万が一のことまで、きちんと考えている人』と伝わることは、むしろ信頼につながりやすい部分です。
まとめ
保護者さんと連絡がつかない場面は、ペットシッターの仕事の中で実際に起こりえます。だからこそ、緊急時の対応はその場で考えるのではなく、事前に決めておくことが大切です。
こうした準備があるだけで、いざというときの不安はぐっと減ります。
ペットの安全のためにも、保護者さんとの信頼関係のためにも、「連絡がつかないときの備え」も大切なお世話の一部として考えておきたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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