はじめに
ペットシッターにとって、訪問記録を残しておくことも大切な仕事のひとつです。
訪問記録は、ペットの様子を伝え、保護者さんに安心してもらうものであると同時に、ペットシッター自身があとで困らないために必要な記録でもあります。
ペットシッターの仕事では、訪問が無事に終了したあとでも、問い合わせがあることがあります。
こういう問い合わせがあったときにも、訪問日時やお世話の内容、ペットの様子を残しておくことで落ち着いて対応しやすくなります。
この記事では、ペットシッターが訪問記録をどこまで残しておくとよいのか、メモの取り方や保管の考え方を整理していきます。
訪問記録には「保護者さんのため」と「自分のため」の意味がある
訪問記録というと、保護者さんに送る報告文を思い浮かべる方も多いかもしれません。
もちろん、報告は保護者さんに安心してもらうために大切なものです。
食事、排泄、体調、訪問中の様子などを伝えることで、留守中のペットの様子がわかりやすくなります。
ただし、訪問記録の役割はそれだけではありません。
ペットシッター自身にとっても、訪問記録は仕事の確認資料になります。
ペットシッターの仕事では、契約が終わったあとで「何時に訪問したか」「この日はどんな様子だったか」「どんな対応したか」などの確認が必要になることがあります。
そのときに記憶だけを頼りにすると、どうしてもあいまいになってしまいます。
訪問記録をきちんと残しておけば、事実をもとに落ち着いて振り返ることができますし、思い出すための無駄な時間も省けます。
保護者さんに送る報告と、自分用メモは分けて考える
保護者さんへの報告文と、自分用の業務メモは、少し目的が違います。
保護者さんに送る報告文は、読みやすさや安心感が大切です。
一方で、自分用の訪問記録(業務メモ)は、正確であることや情報の見つけやすさが重要になります。
保護者さんに送る文章は丁寧に整える。
自分用の記録は、日時や対応内容がわかるように残す。
このように分けて考えると、記録の取り方も整理しやすくなります。
自分用の訪問記録に残しておきたい基本項目
自分用の訪問記録は、長い文章である必要はありません。
大切なのは、あとから見返したときに「いつ、どの依頼で、何をしたのか」がわかることです。
最低限、次のような項目を残しておくと安心です。
訪問日時
まず残しておきたいのは、訪問した日付と時間です。
たとえば、次のような形です。
2026年5月14日(木)午前9:00〜9:30
猫1匹(●●ちゃん)のお世話
訪問日時は、あとで確認が必要になったときだけでなく、売上管理や税務関係の記録にもつながります。
税務記録としては、細かなペットの様子まで毎回詳しく残す必要はありませんが、いつ訪問したか、どの依頼に対応したかがわかる程度の記録は残しておくとよいでしょう。
訪問回数・契約内容との対応
複数回の訪問がある依頼では、何回目の訪問だったのかも残しておくと便利です。
たとえば、
といった形です。
訪問回数を残しておくと、請求内容や報告内容を確認するときにも役立ちます。
特に、長期の依頼や繁忙期の依頼では、記憶だけで管理しようとすると混乱しやすくなります。
訪問回数がわかるメモを残しておくことで、確認作業がしやすくなります。
実施したお世話の内容
食事、給水、トイレ掃除、散歩、室温確認、通院補助、報告用写真の撮影など、実際に行った内容も記録しておきます。
ただし、すべてを長文で書く必要はありません。
このように箇条書きで残すだけでも、あとから確認しやすくなります。
記録は、きれいな文章にすることよりも、事実を残すことが大切です。
事前に上記のようなチェックボックスを印刷しておき、行ったお世話にチェックをつける形で管理するのも便利です。
保護者さんに送った報告文は、できるだけ残しておく
訪問後に保護者さんへ送った報告文は、できるだけ残しておくことをおすすめします。
報告文には、その日のペットの様子や対応内容がまとまっています。
そのため、あとから確認が必要になったときの大切な記録にもなります。
送信した文章をそのまま保存しておく
保護者さんに送った報告文は、送信履歴として残ることも多いと思います。
LINEやメール、予約管理サービスなど、やり取りに使っているツールの中に記録が残る場合は、それもひとつの保存方法です。
ただし、スマートフォンの機種変更やアカウント変更、アプリの不具合などで、過去のやり取りが見られなくなることもあります。
不安な場合は、送信した文章をコピーして、別のメモアプリや管理表に残しておくと安心です。

写真を送った場合は、送信内容がわかるようにしておく
ペットシッターの報告では、報告メールに写真を添えることも多いと思います。場合によっては、短い動画を送ることもあるかもしれません。
写真は保護者さんに安心してもらいやすい一方で、あとから確認資料になることもあります。
ただし、写真を無制限に保存し続けると、管理が大変になります。
そのため、写真を保存する場合は、
がわかるようにしておくとよいでしょう。
また、写真の取り扱いについては、保護者さんとの事前確認やプライバシーへの配慮も必要です。
SNS投稿用ではなく、報告用として撮影した写真であっても、管理には注意しましょう。

わたしはペットが亡くなったときや引っ越しで離れるときなどに、これまでのお世話の記録写真などをデータでお渡しするようにしています。
そのため、ある程度の期間の写真がたまったら、USBやSDカードなどにデータを移して保管しています。
保護者さんに送る報告文の書き方については、別の記事でも詳しくまとめています。
報告文そのものの内容に迷う場合は、こちらも参考にしてみてください。
トラブル防止のために残しておきたいメモ
訪問中には、大きなトラブルではなくても、あとから確認が必要になりそうな出来事が起こることがあります。
そのような場合は、通常の訪問記録とは別に、少し詳しくメモを残しておくと安心です。
気になる体調変化があったとき
ペットの様子に気になる点があった場合は、できるだけ具体的に記録しておきましょう。
たとえば、
などといった内容です。
見たままの様子を記録することが大切で、保護者さんに伝えるときも、
本日の訪問時は、お聞きしていたよりも食事の減りが少なめでした。
少し気になりましたので、念のためご報告いたします。
ただ、おしっこ跡とうんち跡は確認できています。下痢や軟便ではありませんでした。
のように、事実を中心に伝えるとよいでしょう。
物の破損や汚れがあったとき
訪問先で物の破損や汚れを見つけた場合も、記録を残しておきます。
訪問前からあったものなのか、訪問中に起きたものなのかがわからない場合もあるため、自己判断で片づけすぎず、まずは状況を確認して記録することが大切です。
記録する内容は、次のようなものです。
これらの情報を残しておくと、あとから説明が必要になったときにも落ち着いて対応できます。
予定と違う依頼内容があったとき
決して多くはありませんが、訪問当日に、事前に聞いていた内容と違う依頼が発生することもあります。
たとえば、予定外の作業を頼まれた場合や、現地で確認した内容が事前情報と違っていた場合です。
このようなときも、記録を残しておくと安心です。
事前確認では猫1匹のお世話と聞いていたが、現地で2匹いることを確認
➡予定外の作業依頼があったため、対応可能範囲を確認
➡保護者さんに連絡し、了承を得て対応
このように、事実と対応の流れを残しておくと、料金の変更などもあとから確認しやすくなります。
記録を残しておくことは、万が一の行き違いを防ぐことにもつながります。
報告内容の認識違いが起きたときの考え方については、こちらの記事でも詳しく整理しています。
訪問記録はどう保管する?メモアプリ・表・紙の使い分け
訪問記録の残し方に、これが正解というものはありません。
自分が続けやすく、あとから情報を探しやすい形であれば、どんなものでもよいと思います。
メモアプリは手軽に残しやすい
スマートフォンのメモアプリは、訪問後すぐに記録しやすい方法です。
スマートフォンはだいたいの現場で報告や写真撮影に必要ですので忘れることもありませんし、移動中や帰宅後の短い空き時間に、ささっとメモを残すことができます。
ただし、依頼件数が増えてくると、過去の記録を探しにくくなることがあります。また、繁忙期で移動が多くなってくると充電の関係で使用が難しくなることもあります。
メモアプリを使う場合は、
などをタイトルに入れておくと、あとで検索しやすくなります。
表形式で管理すると振り返りやすい
訪訪問件数が増えてきたら、スプレッドシートやExcelなどで管理する方法もあります。
表形式にすると、訪問日、訪問時間、依頼内容、料金、支払い状況などをまとめて確認できます。
たとえば、簡単な管理表を作るなら、次のような項目があると便利です。
| 保護者さんの 名前 | ペットの 名前 | 訪問日 | 訪問時間 | 訪問 回数 | お世話の内容 | 金額 入金状況 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ○○様 | ○○ちゃん | 5/14 | 9:00〜9:30 | 1回目 | ✓食事 ✓水交換 ✓トイレ掃除 | 3,000円 入金済 | 写真送付済 |
| △△様 | ●●ちゃん | 5/14 | 11:00~12:00 | 1回目 | ✓食事 ✓水交換 ✓排泄確認 ✓トイレ掃除 | 4,500円 未入金 | 軟便あり |
すべての項目を毎回細かく埋める必要はありません。
まずは、訪問日・訪問時間・お世話内容・入金状況など、自分があとから確認したい項目から始めると続けやすくなります。
紙の記録は紛失と保管場所に注意する
手書きのメモ帳やノートに記録する方法もあります。
紙の記録は、充電などを気にせず、さっと書ける安心感がありますが、紛失や保管場所には注意が必要です。
ペットシッターの訪問記録には、保護者さんの名前、住所、ペットの記録などの個人情報が含まれています。持ち歩くノートに詳しく書きすぎない、保管場所を決めるなどの配慮が必要です。
訪問記録を残すときに気をつけたいこと
毎回、訪問記録を残すのは手間ですが、正しい記録は、あとで自分を助けてくれるものになり得ます。
ただ、適当な記録を残してしまうとかえって面倒を増やすだけにもなりかねません。以下は、訪問記録を残すときの注意点になります。
感情ではなく事実を中心に書く
訪問記録は、事実を中心に残すことが大切です。
たとえば、
などのように「そのときの自分の感情」について書くだけでは、あとから見返したときに具体的な状況がわかりにくくなります。
記録として残すなら、
のように、実際に見たこと・聞いたこと・対応したことを中心に残しておくとよいでしょう。

個人情報の扱いに注意する
訪問記録には、保護者さんの住所や連絡先、鍵の受け渡し方法、ペットの健康状態など、外に漏れてはいけない情報が含まれることがあります。
そのため、記録を残す場所には注意が必要です。
このような基本的な管理を確実にしておくことが重要です。
記録を残しすぎて負担にしない
訪問記録は大切ですが、毎回長文で残そうとすると負担になってしまいます。
とくに開業直後は、問い合わせ対応、打ち合わせ、移動、実際のお世話、報告文の作成など、やることが多くなりがちです。
そのため、まずは最低限の項目から始めるのがおすすめです。
- 訪問日時
- 訪問回数
- お世話内容
- ペットの様子
- 保護者さんへ送った報告文
このあたりを残しておけば、基本的な確認には対応しやすくなります。
完璧な記録を目指すより、続けられる形を作ることが大切です。
まとめ|訪問記録は、あとで自分を助けてくれる仕事のメモ
訪問記録は、保護者さんに安心してもらうためだけのものではありません。
ペットシッター自身が、あとから確認できるようにするための大切な業務記録でもあります。
訪問日時、訪問回数、お世話内容、ペットの様子、保護者さんに送った報告文。
これらを残しておくことで、万が一確認が必要になったときにも、記憶だけに頼らず対応しやすくなります。
記録の残し方は、メモアプリでも、表形式でも、紙のノートでもかまいません。大切なのは、自分が続けやすく、あとから探しやすい形にしておくことです。
ペットシッターの仕事は、現場でのお世話だけで成り立つものではありません。
訪問後の記録も、信頼される仕事を続けていくための大切な土台になります。
無理なく続けられる方法で、訪問記録を残す習慣を作っておきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。





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