ペットシッターとして開業するとき、考えておきたいことのひとつが「ペットシッターとして加入する保険」です。
ペットシッターは、保護者の自宅に入り、大切なペットのお世話をする仕事です。
どれだけ注意して仕事をしていても、
といった事故が起こる可能性を完全にゼロにすることはできません。
現在はペットシッターを対象とした事業者向けの保険もあり、以前より選択肢が増えています。
これからペットシッターとして開業するのであれば、万が一の事故に備える方法のひとつとして、保険について一度調べておくことをおすすめします。
今回は、ペットシッターが保険について考えておきたい理由や、どのような事故に備えられるのか、加入するときに確認したいポイントについて紹介します。
ペットシッターに保険は必要?
最初に申し上げておくと、ペットシッターとして仕事をするために、必ず専用の賠償責任保険へ加入しなければならない、というわけではありません。
しかし、ペットシッターは一般的な仕事とは少し異なるリスクを抱えています。
まず、訪問型のペットシッターの場合、仕事をする場所の多くが保護者の自宅になります。
自分の店舗ではなく、他人の家の中で作業をするため、家具や家電、食器、住宅設備などを誤って壊してしまう可能性があります。
さらに、お世話をする対象は生き物です。ペットが突然走り出したり、体調を崩したり、予想していなかった行動を取ったりすることもあります。
犬の散歩では、通行人やほかの犬とのトラブルが起こる可能性も考えなくてはなりません。
そして、留守宅へ訪問するペットシッターでは、多くの場合、保護者から自宅の鍵を預かります。
つまり、
など、さまざまなものに対して責任を負う可能性がある仕事なのです。
もちろん、事故を防ぐことが何よりも大切です。
しかし、十分注意していたとしても、思いもよらない事故が起きる可能性はあります。
その「万が一」に備える方法のひとつが、賠償責任保険です。
ペットシッター向けの保険では何に備えられる?
ペットシッター向けの事業者保険や補償制度では、商品によって補償内容が異なります。
代表的には、次のような事故への備えが考えられます。
保護者宅の物を壊してしまった
ペットシッターは、保護者が留守にしている自宅で仕事をすることが多くなります。
十二分に気をつけていたとしても、たとえば、
などの事故がないとは言い切れません。
わざとではなくても、シッター側の不注意によって損害を与えれば、修理費や買い替え費用などを負担することになる可能性があります。
散歩中に第三者へ損害を与えた
犬のお世話では、散歩中の事故も考えておかなければなりません。
突然犬が走り出し、通行人を転倒させてしまったり、ほかの犬とのトラブルになったりすることもあります。
日頃はおとなしい犬でも、保護者が不在である不安や、いつもとは違う人と散歩をしているという非日常的状況によって、普段と違った行動をする場合があります。
散歩前には性格や苦手なもの、ほかの犬への反応などを十分確認することが大切ですが、それでも完全に事故を防げるとは限りません。

お世話中にペットがケガをした
シッティング中のペットに事故が起こる可能性もあります。
たとえば、お世話中に高い場所から落下したり、誤飲したり、散歩中にケガをしたりするケースです。
ただし「シッティング中に起こったことなら、すべて保険で補償される」という意味ではありません。
事故の原因や状況、シッター側に法律上の損害賠償責任があるかどうかなどによって、保険金が支払われるかどうかは変わります。
加入するときには、「ペット自身への損害がどこまで対象になるのか」も確認しておきたいポイントです。
預かった鍵を紛失した
ペットシッターならではのリスクとして、鍵の紛失があります。
シッターにとって、保護者から預かる鍵は非常に重要なものです。
もし鍵を紛失してしまえば、単純に合鍵を1本作れば済むとは限りません。
防犯上の理由から、鍵やシリンダーそのものを交換する必要が出てくる場合もあります。
そのため、保険を検討するときには「預かった鍵の紛失が補償されるか」も確認しておくと安心です。
なお、すべてのペットシッター向け保険で鍵の紛失が補償されるとは限りません。
同じように見える保険でも補償範囲は異なるため、必ず契約前に確認してください。
以下の記事は「ペットが加入する保険はどんなことに気をつけて選ぶべきか」という記事ですが、保険を選ぶときの注意点をまとめていますので、参考になるかもしれません。
ペットシッターが保険を検討するときのポイント
現在はペットシッター向けの保険もある
以前に比べると、現在はペットシッターという仕事に合わせた保険や補償制度を探しやすくなっています。
たとえば、一般社団法人日本ペット事業者支援協会では、2025年からペットシッターやトレーナーなどを対象とした事業者向け保険サービスが始まっています。
業務中の対人・対物事故や、預かっているペットに関する事故などに備える内容となっており、その後、鍵の紛失に対する補償も追加されています。
また、日本ペットシッター協会でも、正会員を対象としたペットシッター向けの総合補償制度が用意されています。
このように、
「ペットシッター向けの保険へ直接加入する」
だけでなく、
「協会への加入に伴って補償制度を利用する」
という方法もあります。
どの方法が向いているかは、事業の規模や働き方、取り扱うペット、必要とする補償内容によって変わります。
「ペットシッター保険」という名前だけで選ぶのではなく、自分の仕事で起こりそうなリスクを考えながら比較することが大切です。

保険を選ぶときに確認しておきたいこと
保険を検討するときは、保険料だけで判断しないようにしましょう。
まず確認したいのは「何が補償されるのか」です。
たとえば、
などです。
さらに、
なども確認しておきましょう。
特に注意したいのは「補償されないケース」です。
保険に入ってさえいれば、業務中に起こった事故すべてが補償される、というわけではありません。その他の保険とおなじように、「適用されるケース」と「適用されないケース」があります。
契約内容によっては対象外になる事故もあります。
ウェブサイトに掲載されている簡単な説明だけで判断せず、重要事項説明書や約款なども確認し、不明点があれば保険会社や取扱窓口へ問い合わせることをおすすめします。
保険に入っていても事故対策は必要
保険に加入しても、トラブルを避けるための事故対策は必須です。
ペットシッターにとって最も大切なのは、事故そのものをできる限り起こさない仕組みを作ることです。
たとえば、
といった準備です。
保険は、事故を防ぐためのものではありません。しっかり準備をしたうえで、それでも起きてしまった万が一の事故に備えるものです。
「保険に入っているから大丈夫」ではなく、
「事故を防ぐ対策+万が一の保険」
という二段構えで考えるとよいでしょう。
まとめ|万が一に備えることもペットシッターの準備のひとつ
ペットシッターとして仕事をすると、ペットのケガだけでなく、保護者宅の物を壊したり、散歩中に第三者との事故が起こったり、預かった鍵を紛失したりする可能性があります。
どれだけ慎重に仕事をしていても、すべての事故を完全に防ぐことはできません。
そのため、これからペットシッターとして開業するのであれば、
について、ぜひ一度調べてみてください。
もちろん、「絶対に、この保険に入らなければならない」というものではありません。
肝心なのは、自分の事業にどのようなリスクがあるのかを知ったうえで、自分に必要な備えを選ぶことです。
そして、保険に加入する場合も、保険料だけではなく、補償内容や対象外となるケースまで確認しておきましょう。
事故を起こさないための準備をし、それでも起きてしまった万が一に備える。
それも、ペットシッターとして安心して仕事を続けるための準備のひとつだと、わたしは思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。







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