はじめに|問い合わせが来ない時期は、準備を整える時間でもある

ホームページも作った。チラシも用意した。SNSにも投稿してみた。……なのに、問い合わせが来ない……。
ペットシッターとして開業したからといって、すぐに問い合わせが入るとは限りません。わたし自身、最初の1~2年はほとんど問い合わせが来ない時期を過ごしました。
「自分自身と提供するサービスの存在」を地元の方に知ってもらうまでには時間がかかります。ペットシッターという仕事自体をまだ身近に感じていない保護者さんもいるため、最初から反応が少なくても不思議ではありません。
とはいえ、何もせずにただ待つだけでは、なかなか状況は変わりにくいものです。
問い合わせが来ない時期は、いわば「仕込みの時期」です。
これから忙しくなっても大丈夫なように土台作りを頑張る時期と考え、これまでに行ってきた広告や宣伝活動を見直し、今後の準備を進める時間にしましょう。
この記事では、ペットシッターの問い合わせが来ないときに確認したいことを、開業したばかりの方にもわかりやすく整理していきます。
開業してすぐ問い合わせが来ないのは珍しくない
ペットシッターの仕事は、開業したその日からすぐに依頼が入るとは限りません。むしろ、開業した月からどんどん依頼が入るほうが珍しいかと思います。
地域にサービスが知られるまでには時間がかかりますし、保護者さん側も「大切なペットと自宅の鍵を預ける」という大きな判断をする必要があります。
わたしも開業して1~2年は、ご依頼をいただけない月がほとんどという、なかなか厳しい時期を過ごしました。
問い合わせが少ない時期があっても、すぐに「私はペットシッターに向いていないのかも」と決めつける必要はありません。
ペットシッターは信頼されてから選ばれる仕事
ペットシッターは、ただ「保護者さんに代わって動物のお世話をするだけの人」ではありません。
保護者さんの留守中に自宅へ訪問し、大切なペットのお世話を任される仕事です。鍵を預かる場合もありますし、ペットの体調や生活環境に関わる場面もあります。
そのため、保護者さんは料金だけではなく、信頼できる人かどうかを慎重に見ています。
開業したばかりで実績が少ない時期は、問い合わせにつながるまで時間がかかることもあります。
地域に知ってもらうまでには時間がかかる
ペットシッターを必要としている方が地域にいたとしても、その方が自分のサービスを知っているとは限りません。
また、名前を見かけたことがあっても、直近で外出の予定などがなければ、すぐに問い合わせるとは限らないでしょう。
旅行や出張、入院、急な予定など、必要なタイミングが来たときに初めて「そういえば近くにペットシッターがいたな」と思い出してもらえることもあります。
そのため、問い合わせが来ない時期にも悲観せず、少しずつでもいいので認知を広げる活動を続けておくことが大切です。
落ち込むより「今、確認できること」を整理する
問い合わせがないと、不安になるのは自然なことです。
「料金が高く感じる?」
「ホームページが見にくい?」
「そもそも、この地域では需要がないのかな?」
仕事が少ない時間が長くなると、いろいろ考えてしまうかもしれません。
原因を知ることは容易ではありません。どれかひとつが原因かもしれないし、たくさんの理由が複合的に関係しているかもしれません。
そういうときは、考えても答えが出にくいことに気持ちを向け続けるより、問い合わせにつながる流れを順番に確認してみましょう。
時間のあるときに、ひとつずつじっくり見直すことで、作った当初は気づけなかった改善できる部分が見えてくることもあります。
問い合わせ方法がわかりやすいか見直す
問い合わせが来ない原因のひとつに、保護者さんが「どこから連絡すればいいのかわからない」という状態があります。
サービス内容に興味を持ってもらえても、問い合わせ方法がわかりにくいと、そのまま離脱されてしまうかもしれません。
ホームページの目立つ場所に問い合わせ先があるか
ホームページを見直すときは、まず問い合わせ先がわかりやすい場所にあるか確認しましょう。
たとえば、次のような点です。
保護者さんは、じっくり全ページを読んでから問い合わせるとは限りません。
スマホでささっとだけ確認する方もいます。
そのため、どのページから見ても問い合わせ方法にたどり着ける状態にしておくと安心です。

ちなみに、わたしのホームページは、トップページとプライバシーポリシー、よくあるご質問の3ページだけでした。お問い合わせはトップページの最後に載せていました。
問い合わせ前に知りたい情報が書かれているか
問い合わせをする前に、保護者さんが確認したい情報もあります。
たとえば、対応エリア、料金、対応できる動物、訪問時間、初回打ち合わせの有無、鍵の受け渡し方法などです。
これらが書かれていないと、不安になってしまい問い合わせまで進まないことがあります。
とはいえ、全部の疑問に答えることは不可能です。なので、すべてを細かく書きすぎる必要はありません。
「問い合わせる前に最低限知りたいだろうと予測されること」は、見つけやすい場所にまとめておくとよいでしょう。
問い合わせフォームが使いにくくないか
問い合わせフォームを設置している場合は、実際に自分でも入力して確認してみましょう。
問い合わせのフォームが使いにくかったり、入力する項目が多すぎたりすると、途中でやめてしまう方もいます。
開業初期は、聞きたいことをたくさん入れたくなるかもしれません。
しかし、最初の問い合わせ段階では、必要最低限の内容にしぼったほうが連絡しやすくなる場合もあります。
問い合わせフォームを設置した後は、かならず自分で一度自分のメールアドレスにメッセージを送って、うまく動作するか確認しておきましょう。登録アドレスのミスなどで届かない、などのケースもあります。
問い合わせが入ったあとの返信については、こちらの記事でも詳しくまとめています。
初回の返信で何を伝えればよいか迷う方は、あわせて参考にしてみてください。
ホームページやチラシの内容を見直す
問い合わせが来ないときは、ホームページやチラシの内容が保護者さんに伝わっているかも確認してみましょう。
ペットシッター側が伝えたいことと、保護者さんが知りたいことがずれていると、問い合わせにつながりにくくなることがあります。
ホームページに何を書けばよいか迷う場合は、基本項目を整理したこちらの記事も参考になります。
誰に向けたサービスなのか伝わっているか
ペットシッターのサービスは、利用する方によって求める内容が少しずつ違います。
このように、保護者さんによって不安や希望は異なります。
ホームページやチラシに「ペットシッターをしています」と書くだけでは、具体的な利用イメージがわきにくいことがあります。
「どんな場面で頼めるのか」が伝わるように、利用シーンを少し入れておくと、保護者さんが自分ごととして考えやすくなります。
安心材料が不足していないか
保護者さんが問い合わせる前に知りたいのは、料金やサービス内容だけではありません。
「大切なわが子を、この人に任せても大丈夫だろうか」という安心感も大切です。
開業したばかりで実績が少ない場合でも、書けることはあります。
できないことまで大きく見せる必要はありませんが、開業して日が浅く実績が少ない状態でも、自分が責任を持って対応できる範囲を誠実に伝えることは可能です。

文章が保護者さん目線になっているか
ホームページやチラシを作るとき、ついサービス提供者側の説明が中心になりがちです。
もちろん、サービス内容を正確に伝えることは大切です。
ただ、それだけでは保護者さんの不安に届かないことがあります。
たとえば、ただ「猫のお世話対応」と書くよりも、
「留守中の猫ちゃんのごはん、トイレ掃除、室内の様子確認などに対応しています」
と書いたほうが、依頼内容をイメージしやすくなります。
ホームページやチラシの文言を確認する際は、保護者さんが「自分も相談してもよさそう」と感じられる表現になっているか、見直してみましょう。
チラシを置く場所や配り方を見直す
チラシを作っているのに反応がない場合は、内容だけでなく、置いている場所や配り方も見直してみましょう。
チラシは、ただ置けば勝手に広がっていくものではありません。
ペットシッターを必要とする方の目に入る場所に届いているかが大切です。
チラシの作り方や置き場所については、こちらの記事でも詳しく整理しています。
ペットと暮らしている人に届く場所に置いてあるか
チラシを置く場所を考えるときは、「ペットと暮らす人が見る場所か」を基準にしてみましょう。
たとえば、動物病院、トリミングサロン、ペット用品店、ドッグカフェ、地域の掲示板などが考えられます。
ただし、どこでも自由に置けるわけではありません。
ここに置きたいと思った場所を見つけたら、必ずその場所の管理者に事前に許可を取り、置かせてもらえる場合はお礼を伝えるようにしましょう。
また、動物病院や店舗によっては、チラシ設置を受け付けていないこともあります。断られても落ち込みすぎず、別の方法を考えていけば大丈夫です。

わたしは自分の飼い猫のかかりつけの動物病院にまず相談し、置いてもらえることになりました。もともと信頼のある場所に置いてもらえると、それだけでかなりの強みになります。
チラシの内容がひと目で伝わるか
チラシは、じっくり読んでもらえるとは限りません。
目に入った瞬間に、何のサービスなのかが伝わることが大切です。
情報を詰め込みすぎると、かえって読みにくくなることもあります。
詳しい説明はホームページに任せ、チラシでは「見た人が問い合わせ先にたどり着けること」を意識するとよいでしょう。
わたしはココナラでプロにお任せしました(コンペ形式)。3万円ほどかかりましたが、満足するものができたので、必要な投資だったと思っています。現在まで、これ以外の広告費はかけていません。
一度置いて終わりにしていないか
チラシは、「一度置いたら終わりで、それを見た人からすぐに問い合わせが来る」とは限りません。
チラシを手にしたタイミングでは必要がなくても、後日必要になる方もいます。
ペットシッターに限らず、チラシやフライヤーなどは「一度は手に取ったものの捨ててしまったので、再度同じ場所に取りに来た」というのはよくある話です。
そのため、チラシは継続的に見てもらえる状態を作ることが大切です。継続して置いてもよいという管理者の許可が取れたらお礼を言って置かせてもらうようにしましょう。
ちなみに、追加してチラシを置く場合には、減り方を確認するのはもちろん、もしも話が聞けるようであれば、チラシを持っていった人の反応を管理者に確認してみると有意義な情報が得られる可能性は高いです。
減っていなければその場所での配布はやめ、減っている場所の周辺で、ふたたびチラシを置かせてくれそうな場所を探してみるのもひとつの手です。
チラシの置き場所も、集客の実験と考えて見直していくとよいでしょう。
料金やサービス内容がわかりにくくないか確認する
問い合わせが来ないときは、料金やサービス内容も見直してみましょう。
料金は、安ければよいというものではありません。
高すぎても問い合わせのハードルになりますが、安すぎても不安につながることがあります。
周辺の事業者と比べて大きくずれていないか
料金を決めるときは、周辺のペットシッターやペットホテル、類似サービスの料金を確認してみましょう。
同じサービスでも地域によって相場は異なります。
都市部と地方では交通費や移動距離、依頼件数の傾向も違うため、全国平均で考えるよりも、その地域の状況で判断するほうがうまくバランスが取れる可能性は高まります。
周辺の事業者と比べて、料金があまりにも高すぎる場合には、どうしてその料金プランなのか、内容に見合う理由が伝わるようになっているかの確認が必要です。
反対に、安すぎる場合も注意しましょう。
周囲の事業者と比べてあまりにも安すぎる料金は、保護者さんにとって「本当に大丈夫かな」と不安材料になることがあります。また、ペットシッター自身が無理をしてしまい、長く続けにくくなる可能性もあります。
「安ければ嬉しいだろう」と良かれと思ってしたことが不安につながっては本末転倒です。
どうしても安くしたい場合には、依頼をいただいた上で「キャンペーン中なので割引きますね」と安くすればいいだけの話ですので、まずは周囲とバランスの取れた料金プランを設定しておくようにしましょう。
追加料金がわかりやすく書かれているか
基本料金だけでなく、追加料金の有無もわかりやすくしておきましょう。
たとえば、次のような項目です。
問い合わせ後に初めて追加料金を伝えると、保護者さんが「まだ追加で請求されるのでは」と不安に感じることがあります。
すべてを細かく載せるのが難しい場合でも、「別途かかる可能性がある費用」をあらかじめ示しておくと、あとあと誤解を防ぎやすくなります。
サービス内容と料金の関係が伝わっているか
ホームページやチラシを確認するとき、保護者さんは金額だけではなく「その料金で何をしてもらえるのか」も見ています。
たとえば、30分訪問、60分訪問と書いてあっても、その時間内で何を行うのかがわからなければ、検討しにくくなります。
ごはんの用意、トイレ掃除、散歩、室内の確認、報告など、基本料金に含まれる内容や、自分が対応できる範囲を具体的に書き出し、整理しておくようにしましょう。
料金とサービス内容の関係がわかりやすいほど、保護者さんも問い合わせしやすくなります。

問い合わせがない時期にできる準備を進める
問い合わせが来ない時期は、集客の見直しだけでなく、依頼が入ったときに慌てないための準備もできます。
いざ問い合わせが入ったときに、返信や打ち合わせ、見積もりでお待たせしたり、迷うような書き方をしてしまうと、せっかくの機会を逃してしまうかもしれません。
返信文や確認項目を用意しておく
初回問い合わせが来たときの返信文は、ある程度のひな形を用意しておくと安心です。
問い合わせへの返信では、感謝の言葉、確認したい内容、対応エリア、打ち合わせの案内などを整理して伝える必要があります。
問い合わせが来て初めていちから考えようとすると、焦ってしまい必要なことを書き忘れることもあります。まだ顔合わせも済んでいない段階で「お伝えし忘れましたが~~は~~です。」というメールが何通も来るようでは、あまり印象もよくありません。
時間があるときに、あらかじめ返信用のひな形を作っておけば、落ち着いて対応しやすくなります。
初回打ち合わせで確認する内容を整理する
問い合わせが入ったあとは、そのまま初回打ち合わせにつながることもあります。
そのときに確認する項目も、事前にまとめておくと安心です。
初回の顔合わせは、どれだけ件数をこなしても毎回緊張するものです。聞き漏れを防ぐためにも、ペットごとのカルテやチェックリストを作っておくとよいでしょう。
自分のことを知ってもらう情報を増やす
開業直後で依頼実績が少ないのであれば、自分の人となりやこれまでの経験など「自分がどういう人間なのか」など、見せられるものを少しずつ整えていく時間に使うのも有用です。
たとえば、ホームページにプロフィールを追加する、関連する資格や経験を整理してみる、対応方針を書く、自分から送ることになる報告文のサンプルを用意するなどです。
開業して日が浅く実際の依頼件数が少ないという状況でも、ホームページやチラシ、SNSなど自分の事業を紹介する媒体に「どのように対応する人なのか」が伝わる材料を増やすことはできます。
ペットシッターの仕事は、小さな信頼が積み重なって問い合わせにつながっていく仕事です。
時間をたっぷり使うことができる問い合わせがない時期にこそ、信頼してもらうための準備を進めておきましょう。
まとめ|問い合わせが来ない時期こそ、選ばれる準備をしておこう
ペットシッターとして開業してすぐに問い合わせが来ないことは、珍しいことではありません。
地域にサービスが知られるまでには時間がかかりますし、保護者さんも大切なペットと自宅の鍵を預ける相手を慎重に選びます。
だからこそ、問い合わせが来ない時期は、ただ待つだけではなく、いざというとき慌てないように自分にできることを整理しておきましょう。
問い合わせ方法はわかりやすいか。
ホームページやチラシの内容は伝わりやすいか。
チラシを置く場所は合っているか。
料金やサービス内容にわかりにくさはないか。
問い合わせが来たあとに対応できる準備は整っているか。
これらのことをひとつずつ見直していくことで、保護者さんが相談しやすい状態に近づけることができます。
問い合わせがない時間を、ただ不安なまま過ごすのはもったいないものです。ペットシッターは、地域での認知が広がることで少しずつ依頼につながっていく仕事です。
次の依頼に備えて、焦りすぎず、できることから少しずつ準備を進めていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。





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