はじめに
ペットシッターのやり取りは、基本的にシッターと保護者さんのあいだで進むことが多く、第三者が内容を確認しているとは限りません。そのため、きちんと伝えたつもりでも、あとから『そんな話は聞いていません』と言われてしまうことがないとは言えません。
自分の記憶が正しいと思っても、人の記憶はあいまいになりやすく、忙しい中でやり取りした内容ほど、受け取り方にズレが出やすいものです。
とくに、料金、訪問時間、対応範囲、緊急時の判断、追加対応の有無などは、認識の差がそのままトラブルにつながりやすい部分です。
こうした行き違いを防ぐには、『伝えたかどうか』記憶に頼るのではなく、あとから確認できる形で残っているかどうかが大切になります。
この記事では、報告後に『聞いていない』と言われる事態を防ぐために、ペットシッターが意識したい記録の残し方を整理していきます。
『伝えた』だけでは足りない理由を知っておく
口頭だけのやり取りは、あとで認識がずれやすい
対面の打ち合わせや電話は、その場で細かく相談しやすい反面、記録が残りにくいという弱点があります。
その場ではお互いに納得していたつもりでも、時間がたつと受け取り方が変わることがあります。
とくに、はじめて利用する保護者さんは、緊張や不安の中で話を聞いていることも多く、細かな条件まで正確に覚えていない場合もあります。
そのため、重要な内容ほど『口頭で説明したから大丈夫だろう』と考えてしまわないことが大切です。
問題になるのは『言ったかどうか』ではなく『確認できるかどうか』
行き違いが起きたとき、そこで『説明しました』『聞いていません』と言い合っても、解決しにくいものです。
水掛け論を防ぐには、感情ではなく、確認できる記録が必要になります。
たとえば、
こうした点が文字で残っていれば、あとから落ち着いて確認できます。仕事として信頼を積み重ねるうえでも、やり取りした内容をきちんと残すクセをつけるようにしておくことが大切です。
記録として残しておきたい内容を最初に整理する
とくに残しておきたいのは、あとで解釈が分かれやすい項目
すべてを細かく文章化しようとすると大変ですが、少なくとも解釈が分かれやすい内容は、最初から記録に残す前提で考えておくと安心です。
たとえば、次のような内容は、あとで認識の差が出やすいため、最初から記録として残しておくと安心です。
こうした項目は、少しのズレでも不満や不信感につながりやすい部分です。細かく感じても、仕事のルールとして整理しておくほうが、あとで困りにくくなります。

報告内容だけでなく、事前の取り決めも残しておく
『聞いていない』と言われる原因はその前の打ち合わせにあることも多いです。
たとえば、
こうした取り決めがあいまいだと、報告後に認識の差が表面化しやすくなります。
そのため、報告の記録だけでなく、事前に何を合意していたかも残しておくことが大切です。
契約書や書面で残しておくと、行き違いが起きにくくなる
大事なことは、契約書や利用案内の形で見えるようにする
『聞いていない』と言われる原因は、訪問後の報告そのものではなく、その前の打ち合わせにあることも少なくありません。
たとえば、
こうした点があいまいなままだと、あとになってから認識の差が表面化しやすくなります。
だからこそ、事前の打ち合わせで何を確認し、どのような形で了承を得ていたのかも、あわせて残しておくことが大切です。
あとから見返したときに前提となる取り決めまで確認できれば、行き違いを防ぎやすくなります。
紙の書類は、安心感につながることもある
契約書などはデジタルで管理するのも便利ですが、保護者さんの中には、紙のほうが確認しやすいと感じる方もいます。
また、その場で一緒に内容を見ながら確認しやすいのも紙のよさです。説明しながらチェックを入れたり、署名をもらったりできるため、理解のズレを防ぎやすくなります。
もちろん、紙かデジタルかに正解があるわけではありません。ただ、相手によっては紙のほうが信頼につながることもあるので、選べるようにしておくと親切です。

わたしは、注意書きも契約書も紙でお渡ししています。あとから見返しやすく、確認した内容を共有しやすいと感じているためです。
署名やチェックがあると、確認した事実を残しやすい
『読んでもらったつもり』ではなく、『確認してもらった記録』を残すことも大切です。
たとえば、
こうした小さな工夫があるだけでも、あとからの行き違いを減らしやすくなります。文章を作るだけでなく、たしかに保護者さんが確認した事実まで残すところまで意識しておくと、より安心です。
メッセージでも『残し方』を工夫すると伝わりやすい
口頭で話したことは、あとで短く文章でも残しておく
対面や電話で話した内容は、その場で完結させず、あとからメッセージでも簡単に残しておくと安心です。
たとえば、
「本日お打ち合わせした内容の確認です。訪問は○月○日○時、食事は朝夕各1回、お薬は対応なし、鍵は事前受け取りの予定で承りました。もしも違う点がございましたら、ご連絡ください」
というように、要点だけでも文章にして送っておけば、認識の確認につながります。
このひと手間があるだけで、あとから『その話は聞いていない』と言われにくくなります。長文でなくてもよいので、口頭の内容を文字に置き換える意識を持つことが大切です。

曖昧な表現を減らして、事実ベースで書く
記録を残すときは、ふんわりした表現よりも、確認しやすい書き方を意識したほうが行き違いを防げます。
たとえば、
このように、数字や条件がわかる形にしておくと、あとから読み返したときにも判断しやすくなります。
記録を残すこととあわせて、伝わりやすい報告の形を整えておくことも大切です。報告文のまとめ方に迷う方は、ペットシッターの報告はどう書く?安心につながる伝え方のコツも参考になります。
やり取りが流れないように、保存場所を決めておく
メッセージで記録を残しても、あとから見つけにくければ確認しづらくなります。そのため、どこに何を残すかを自分の中で決めておくことも大切です。
たとえば、
このように整理しておくと、情報があちこちに散らばりにくくなります。
記録は『残すこと』だけを目的とせず、『あとで確認しやすいこと』まで含めて考えるのがおすすめです。
『聞いていない』と言われたときは、感情より確認を優先する
まずは反論よりも、記録を一緒に確認する
実際に『聞いていません』と言われると、こちらも焦ったり、腹立たしく感じたりすることがあります。でも、そこで強く言い返すと、話がこじれやすくなります。
まずは、
という姿勢で、落ち着いて確認するほうがよいでしょう。
大切なのは、どちらが正しいかをはっきりさせることではなく、事実を整理することです。記録があれば、感情に引っ張られすぎずに対応しやすくなります。
記録が足りなかったなら、次回からの改善につなげる
人間のすることですので、すべてを完璧に防ぐのは難しいです。
もし今回、残していた記録が少なかったり、表現があいまいだったりしたと感じる点があったなら、次回からの見直しにつなげていきましょう。
たとえば、
こうした見直しを積み重ねることで、仕事の土台は少しずつ整っていきます。
最初から完璧な仕組みを作るより、ひとつひとつ仕事をこなしながら、トラブルになりやすい場面をひとつずつ減らしていくことのほうが現実的です。
まとめ
お伝えしたはずなのに『聞いていない』と言われてしまうと、気持ちの面でもかなり消耗します。
けれども、こうした行き違いは、相手が悪い・自分が悪いと単純に分けられるものではなく、確認できる形で残っていなかったことが原因になっている場合も少なくありません。
だからこそ、ペットシッターの仕事では、口頭のやり取りだけに頼らず、契約書や確認書、メッセージなどで内容を残しておくことが大切です。
紙でもデジタルでもかまいませんが、あとから見返せて、双方が確認できる形にしておくことで、水掛け論はかなり防ぎやすくなります。
信頼関係は、やさしい対応だけでなく、行き違いを防ぐための記録や確認の積み重ねによっても育っていきます。安心してやり取りを続けるためにも、『伝える』だけでなく『記録に残す』ことまで意識してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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