はじめに|実績が少ない時期ほど「安心材料」を見せよう
ペットシッターとして開業したばかりのころは、まだ依頼件数や口コミが少なく、ホームページやチラシに何を書けばよいのか迷うことがあるかもしれません。
このように感じる方も多いのではないでしょうか。
たしかに、すでにお世話を体験した方の口コミや実績の評価を見ることができるのは、保護者さんにとっては大きな安心材料になります。
しかし、始めたばかりの段階で多くの実績を持っているというケースは珍しいことです。
大切なのは、実績の少なさを無理に隠そうとせず、今の自分が見せられる安心材料を丁寧に伝えることです。
この記事では、ペットシッターとしての実績がまだ少ないときに、ホームページやチラシ、プロフィールなどで何を見せれば保護者さんに安心してもらいやすいのかを整理していきます。
実績が少ないときに保護者さんが不安に感じること
保護者さんがペットシッターを探すとき、見ているのは料金や対応エリアだけではありません。
大切なペットと自宅の鍵を預けることになるため、「この人にお願いして大丈夫だろうか」という不安を持ちながら情報を確認していることが多いです。
動物のことをわかっている人なのか
実績が少ないシッターに対して、保護者さんが不安に感じやすいのは、まず「動物のお世話に慣れている人なのか」という点です。
ペットシッターは、ただごはんをあげたり、トイレを片づけたりするだけの仕事ではありません。
目の前のペットの様子を見ながら、食欲、排泄、元気の有無、部屋の環境などを確認する必要があります。犬や猫、小動物など、動物の種類ごとに接し方も変わります。
そのため、保護者さんは「この人は動物に慣れているのか」「うちの子を落ち着いて見てもらえそうか」という部分を知りたいと思っています。
留守宅に入ってもらって大丈夫な人なのか
ペットシッターは、基本的に保護者さんの不在時に自宅へ訪問する仕事です。
そのため、ペットのお世話だけでなく、鍵の管理や室内での立ち振る舞いにも信頼が必要になります。
どれだけ動物が好きでも、室内の物の使い方が雑だったり、連絡が不規則だったり、説明があいまいだったりすると、保護者さんは不安を感じやすくなります。
口コミや紹介など、第三者からの評価がまだ少ない時期ほど、仕事としての姿勢や連絡の丁寧さが伝わる情報を見せておくことが大切です。
トラブル時に落ち着いて対応できるのか
ペットシッターの仕事では、予想外のことが起こる場合もあります。
食欲がない、排泄の様子が気になる、ペットが隠れて出てこない、鍵がうまく開かない、保護者さんとすぐに連絡が取れないなど、状況に応じた判断が必要になる場面もあります。
保護者さんは、実績件数そのものだけでなく、「何かあったときに、落ち着いて連絡・確認・対応してくれそうか」も見ています。
そのため、ホームページやチラシでは、自分にできることをアピールするだけでなく、いざという事態にも備えている姿勢を伝えることも、大きな安心材料になります。
実績の代わりに見せたい安心材料
実績が少ない時期でも、見せられるものはあります。
持っている資格、これまでの飼育経験、仕事への考え方、対応できる範囲、連絡方法などは、保護者さんにとって大切な判断材料になります。
開業したばかりの時期に、最初の依頼につなげる考え方については、こちらの記事でも詳しくまとめています。
持っている資格や学んだこと
ペットシッター関連の資格や、動物に関する資格を持っている場合は、プロフィールやホームページに記載しておきましょう。
たとえば、ペットシッターに関する資格、動物介護、犬猫の健康管理、しつけ、動物取扱業に関する知識などです。
資格名だけを並べるのではなく、その資格を通して何を学んだのかを一文添えると、より伝わりやすくなります。
たとえば、次のような書き方です。
ペットシッターとして安全にお世話を行うため、動物の基本的な扱い方や訪問時の注意点について学びました。
シニア犬のお世話に関心があり、老犬介護について学んできました。
資格は、実績そのものではありません。
しかし、「仕事として学ぶ姿勢がある人」と伝えるうえでは、大きな安心材料になります。
これまで飼ってきたペットと飼育経験
ペットシッターとしての依頼実績が少なくても、自分自身のペットの飼育経験がある方は多いと思います。
これまで犬と暮らしてきたのか、猫と暮らしてきたのか、多頭飼いの経験があるのか、シニア期のお世話を経験したことがあるのか。このような経験も、保護者さんにとっては参考になります。
ここで大切なのは、自分語りになりすぎないことです。
「私はこんなに動物が好きです」と長く語るよりも、保護者さんが知りたい情報に絞って書くと読みやすくなります。
たとえば、次のような内容です。
なお、飼育経験を書くときは、
「だから、猫のお世話なら何でもできます!」
という見せ方ではなく、「こうした経験から、確認や観察を大切にしています」という方向にまとめると、信頼につながりやすくなります。
※ちなみに、自分のペットへの投薬は可能ですが、他人のペットへの投薬はペットシッターには行えません。投薬が必要なペットの依頼については、慎重な対応が必要です。
なぜペットシッターになったのか
実績が少ないときは、「なぜこの仕事を始めたのか」も大切な情報になります。
保護者さんは、単に近くて安い人を探しているとは限りません。
大切なペットを任せる相手として、どのような思いで仕事をしているのかを見ています。
ただし、開業の理由を書くときも、長い自分語りにならないように注意しましょう。
おすすめは、次の3点を短くまとめる書き方です。
たとえば、次のような文章です。
人見知りのペットと暮らす中で、環境の変化が苦手な子にとって、自宅で過ごせることの重要度を理解するようになりました。保護者さんの不在時にも、できるだけ負担の少ないお世話ができるよう、ひとつひとつのお世話に丁寧に対応していきたいと考えています。
このように書くと、自分の思いを伝えつつ、保護者さん側の安心にもつながりやすくなります。

シッターとして大切にしていること
実績が少ないときほど、「自分はこの仕事をするうえで、何を大切に考えているのか」を見せることも重要です。
たとえば、次のような姿勢は安心材料になります。
実績件数が多くなくても、仕事に対する真摯な考え方がきちんと伝わると安心感につながります。
ペットシッターは、信頼関係が大切な仕事です。
「この人なら、事前にきちんと確認してくれそう」と思ってもらえる情報を見せておきましょう。
ホームページやチラシに書いておきたい項目
実績が少ないときは、ホームページやチラシに載せる情報を整理しておくことが大切です。
情報が少なすぎると不安につながりますが、詰め込みすぎても読みづらくなります。
保護者さんが知りたいであろうことを中心に、わかりやすくまとめましょう。
ホームページ全体に載せたい基本項目については、こちらの記事でも整理しています。
プロフィール
プロフィールには、名前、対応エリア、対応できる動物、資格、飼育経験、仕事への思いなどをまとめます。
長文にする必要はありません。
最初に読む方でも、人柄と仕事への姿勢が伝わる内容にすることが大切です。
プロフィール文は、次のような構成にすると書きやすくなります。
- 簡単な自己紹介
- 動物との関わり
- ペットシッターとして大切にしていること
- 対応できる範囲や特徴
- 問い合わせにつながる一文
たとえば、次のような形です。
はじめまして。〇〇市を中心に訪問型のペットシッターをしている□□と申します。
これまで多くの犬、猫と暮らしてきた経験の中で、「ペットにとって住み慣れた環境で過ごせる」ことの重要性を感じることが数多くありました。
これまでの経験を活かせないかと思い、ペットシッターとして活動を始めました。お世話にあたっては、適切な事前確認と報告およびペットごとの性格や生活環境に合わせた対応を心がけています。
初めてペットシッターを利用される方にも安心してご相談いただけるよう、事前打ち合わせでは、希望されるお世話の内容を丁寧に確認いたします。
このくらいの文章でも、何も書かれていないプロフィールより安心感はかなり変わります。
対応できる動物とお世話の範囲
実績が少ない時期ほど、
など、対応範囲を広く見せたくなるかもしれません。しかし、できることを大きく見せすぎると、あとから無理が出ることもあります。
ホームページやチラシには、対応できる動物とお世話の範囲を具体的に書いておきましょう。
たとえば、次のような項目です。
一方で、対応できないことや、事前相談が必要なことも書いておくと安心です。
たとえば、医療行為にあたること、攻撃性が強い子への対応、長時間の拘束が必要なお世話などは、事前に確認が必要になる場合があります。
「何でもできます」と見せるより、「これとこれはできます」とできることを明確にしているほうが、仕事としての信頼につながります。

事前打ち合わせで確認すること
保護者さんにとって、事前打ち合わせの流れが見えることも安心材料になります。
特に、初めてペットシッターを利用する方は、「どんなことを聞かれるのだろう」「何を準備すればよいのだろう」と不安を感じていることがあります。
ホームページには、事前打ち合わせで確認する内容を簡単に載せておくとよいでしょう。
たとえば、次のような項目です。
- ペットの性格
- 食事内容と量
- トイレの場所と掃除方法
- 散歩の有無
- 苦手なこと
- 体調面で気をつけたいこと
- かかりつけ動物病院
- 緊急連絡先
- 鍵の受け渡し方法
- 室内で触れてよい場所、入らない場所
これらを載せておくと、保護者さんはこれらの質問に応えられるよう事前に準備しておくこともできますし、「きちんと確認してくれる人なんだ」ということも伝わりやすくなります。
報告方法
ペットシッターを利用する保護者さんにとって、お世話後の報告はとても大切です。これについても、どのような形で報告してもらえるのかが事前にわかっていると、依頼前の不安を減らしやすくなります。
長々と書く必要はないと考えますが、たとえば、次のような文章がひと言添えてあると安心してもらえるのではないかと思います。
訪問時には、到着のご連絡をはじめ、食事・排泄・ペットの様子などをご報告いたします。写真や動画の送付をご希望の場合は、事前に連絡手段を確認のうえ対応いたします。
ちなみに、写真や動画を撮影する場合は、報告用とSNS掲載用を分けて考えることも大切です。
保護者さんの許可なく写真を第三者に向けて公開しないことも、安心材料として伝えておきましょう。
実績が少ないときに避けたい書き方
安心してもらいたい気持ちが強いほど、つい大きく見せたくなることがあります。
しかし、実績が少ない時期ほど、誠実さが伝わる書き方を意識したほうが信頼につながります。
「何でもできます」と書かない
開業したばかりのころは、できるだけ多くの依頼を受けたいと思うかもしれません。
しかし、「何でも対応します」「どんな子でも大丈夫です」と書くのは注意が必要です。
ペットの性格や体調、生活環境、保護者さんとの関係などによっては、対応が難しいケースもあるはずです。
無理して引き受けてしまうと、ペットにも保護者さんにも、そしてシッター自身にも負担がかかる可能性があります。
できることを広げようとするよりも、まずは安全に対応できる範囲を明確にしましょう。
経験を大きく見せすぎない
実績が少ないことを気にして、経験を大きく見せすぎるのも避けたいところです。
たとえば、家族のペットをお世話した経験を、仕事としての実績のように見せるのは誤解につながる可能性があります。自分のペットの飼育記録は貴重な経験ですが、依頼として受けた実績とは分けて書くようにしましょう。
おすすめは、次のような表現です。
ペットシッターとしての実績はこれから積み重ねていく段階ですが、これまで犬・猫と暮らしてきた経験をもとに、事前確認と安全を大切にしながら対応いたします。
このように書けば、実績が少ないことを隠さず、前向きに伝えることができます。
自分の思いだけで終わらせない
「動物が大好きです」
「ペットのために役立ちたいです」
「一生懸命がんばります」
このような気持ちを持っていることは大切です。
ただし、それだけでは保護者さんの不安を十分に解消できないこともあります。
保護者さんが知りたいのは、気持ちだけではなく、実際にどのようなお世話をしてくれるのか、どのように連絡してくれるのか、何を確認してくれるのかという具体的な部分です。
動物への思いを書くときは、具体的な行動とセットにすると伝わりやすくなります。
たとえば、
人見知りのペットがストレスなく過ごせるよう、事前打ち合わせで性格や苦手なことを丁寧に確認します。
保護者さんが外出先でもペットの様子を把握しやすいよう、お世話前後の報告は丁寧に行います。
このように書くと、気持ちが仕事の姿勢として伝わりやすくなります。
まとめ|実績が少ない時期こそ、誠実さと準備を見せよう
ペットシッターとして開業したばかりの時期は、実績や口コミが少なく、不安に感じることもあると思います。しかし、実績が少なくても、保護者さんに見せられるものは少なくありません。
持っている資格、これまでの飼育経験、ペットシッターになった理由、仕事で大切にしていること、事前打ち合わせや報告の流れ。
これらはすべて、保護者さんにとっての安心材料になります。
大切なのは、今の自分ができることを、誠実に、わかりやすく伝えることです。
保護者さんの立場になって、「自分のペットをお願いするとしたら、どんな情報が書いてあると連絡しやすいだろう」と考えてみると、プロフィールやホームページに載せる内容も整理しやすくなります。
実績は、これから仕事を続ける中で少しずつ積み重なっていくものです。
最初の一歩の段階では、まずは安心して相談してもらえるよう、自分の見せられる範囲で準備を整えることから始めてみましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。





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